この点については、「第4回こども未来戦略会議」では、次のように話している。
なぜ、労使折半なのか。先にも触れたように19世紀後半、ドイツ帝国の宰相ビスマルクは、彼らが生きていた経済体制から最も利益を得ているのは経済界であるという理由から、労働者に対するアメとムチの政策におけるアメの政策の中で、労働者の生活を守る制度の費用負担に使用者の折半負担を求めた。なお、ここで言うムチの政策とは社会主義者鎮圧法などをさす。
後に、日本の大河内一男東大名誉教授は、資本主義体制の持続には労働力の再生産は不可欠であり、その労働力を総資本の観点から保全するための政策こそが社会政策の本質であるという労働力保全理論を創っていくことになる。個別資本の意思に任せていたのでは、労働力は保全できず、再生産されないという話である。
将来の「購買力保全」のために経済界も協力を
これに加えて、私は、賃金システムが、子ども・子育てのための支出の膨張と収入の途絶に対応できないがゆえの少子化、人口減少で被害を受ける代表は未来の経済界であると考えている。
そして、将来の労働力もさることながら、将来の購買力を保全するためにも、労使折半で子ども・子育て支援に協力してもらいたいと考えてきた。この購買力保全の考え方は、「第3回こども未来戦略会議」で次のように話している。
なお、「合成の誤謬」という言葉に関しては、自著『もっと気になる社会保障』の「はじめに」には次のような文章がある。
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