「ChatGPT」新機能でできるようになったすごい事 コードインタープリターとはいったい何なのか

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しかし、OpenAIによれば、コードインタープリターが有効になると、ChatGPTは答えを見つけるためにコードを書いて実行するとのことだ。これによりチャットボットは、複雑な計算を行ったり、ユーザーがアップロードしたデータに基づいてグラフを作成したりといった、以前はできなかった新しいタスクをすべてコードによって達成できるようになる。

コードインタープリターによって、大規模な言語モデルに対する一般的な不満である不正確さが減るという意見もある。

「コードは客観的に正しいことを行う」 と述べるのはペンシルバニア大学のイーサン・モリック准教授だ。同氏はコードインタープリターがリリースされる前に2カ月間テストを行った。

ユーザーができるようになること

ユーザーはコードインタープリターを使って何をするのか?

コードインタープリターの最も一般的な使い方は、データ分析だ。

ChatGPTは、「このデータのどこが面白いか教えて」といったプロンプトで、財務、健康、位置情報といったユーザーのデータに目を通し、それらに関する洞察を生み出すことができる。金融アナリストは、株価分析や予算作成など、このツールを仕事に活用する方法を見いだしている。

研究者たちも、クリエイティブなデータ視覚化のためにこのツールを使い始めている。モリック氏によると、同氏は最近コードインタープリターを使って、ビルボードのホット100リストの3Dチャートを作成したり、全米の灯台をアニメーション化した地図を作ったりしたという。また、コードインタープリターを使って、画像を動画にしたり、PDF文書を画像にしたりと、ファイルのフォーマットを変換する人もいる。

プリンストン大学のアービンド・ナラヤナン教授(コンピューターサイエンス)は、AIは依然として不正確な結果や誤った情報を生み出すため、データ分析に関してコードインタープリターに過度に依存すべきではないと注意を促している。

「適切なデータ分析には、データに対する多くの批判的思考が必要だ」と同氏は述べた。

(執筆:Yiwen Luk記者)

(C)2023 The New York Times

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