「ユニゾ破綻劇」前進した入札と足踏みの責任追及 1次入札には12社が参加、9月中にも決定へ

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スポンサー支援の思惑はさまざまだ。元々はユニゾHD傘下の国内オフィス部門、ホテル部門、米国オフィス部門一体での支援が前提だった。だが入札参加者の意見も踏まえ、価格が上昇する場合には部門ごとに限定した支援も容認された。

HD一体での支援を表明した企業は、12社のうち6社にとどまった。限定的な支援を表明した参加者のほとんどは、利上げによって価格が著しく下落した米国オフィス部門を除外している。提案内容や入札価格を踏まえて、4~5社程度が1次入札を通過したようだ。

ユニゾ

2次入札を行うに当たり懸案となったのが、NSSKにのみ付与した「ラストルック条項」だ。ほかの入札参加者が有利な条件を提示した際、NSSKはそれを上回る条件を再提示できる。基本合意を反故にしたことへの「代償」だ。これに対して入札参加者からは「どれだけ頑張っても、結局NSSKが有利な条件を提示できるなら、本気になれない」と不満が出ていた。

「ラストルック条項」は撤回

入札参加者の多くは、2次入札の参加条件としてラストルック条項の解除を要求した。債権者からも「入札参加者の意欲をそぐ」との指摘もあり、結局ラストルック条項は撤回。NSSKとの基本合意書も白紙となった。代わりに、NSSKには2次入札から参加する「シード権」を与えた。

資産査定の時間が欲しいという入札参加者の要望も踏まえ、2次入札の締め切りは当初の8月1日から9月4日へと後ろ倒しされた。債権者の意見も聴取しつつ、9月中にはスポンサーが確定し、10月末までに再生計画案を裁判所に提出する予定だ。

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