介護福祉士に「一発合格」ベトナム人女性の決意 介護士の仕事を身に付けつつ、日本語を猛勉強
「採用のポイントは、やはり明るい人柄と日本で介護職として働きたいという高い意欲を持っていることです。この時点では日本語能力はまだ乏しいので、通訳を介しながら質問していきますが、その受け答えを通して信頼できる人物かどうかを見極めました」(宍戸理事)
内定した技能実習生たちは現地で1年間、日本語を学び、2019年4月に来日。その後、同組合にて2カ月間の介護実習が行われ、6月からそれぞれ採用された介護施設での勤務がスタートした。
給料の半分はベトナムの家族に仕送り
現地での日本語学習費用は一部、実習生の自己負担になるものの、その他の日本語学習費用や日本までの渡航費用、介護実習費用については、受け入れる介護施設側の負担によってまかなわれる。
給与体系は施設ごとに異なり、チャンさんが所属する「デイサービス ふくろうの広場長橋台」では、技能実習生も日本人介護スタッフと同様の給与額が支払われるという。
住まいは、施設から徒歩10分以内の寮を完備。チャンさんとともに同施設に採用されたグエン・ゴック・バン・ズォンさん(23歳)も、整った生活環境の中で一人暮らしを満喫しているそうだ。
「休日は部屋のお掃除をしたり、地元のスーパーに買い物に行ったりしてゆっくり過ごします。日本は景色が美しいですし、地域のお祭りも盛んなので暮らしているだけで楽しいです。だからあまりお金を使うこともありません。お給料の半分はベトナムの家族に仕送りできています」(チャンさん)
彼女たちを受け入れた管理者の佐藤さんは、こう話す。
「初めて外国の方と一緒に働くので、受け入れ前は職場になじめるのか、高齢の利用者さんたちにすんなり受け入れてもらえるのか、とても不安でした。でも、彼女たちと会ったときに、なんてかわいい子たちなんだろうとホッとして。
仕事も日本語学習もとても熱心で、この子たちは並大抵の覚悟で来ていないんだなと感じました。求人募集を出しても若い人たちが集まらない中、貴重な戦力になってもらっていることは間違いありません」
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