介護福祉士に「一発合格」ベトナム人女性の決意 介護士の仕事を身に付けつつ、日本語を猛勉強
勤務時間は朝8時15分~17時15分まで。利用者の身体介助をはじめ、食事や入浴介助など介護士としての仕事をひと通り身に付けつつ、日本語を猛勉強。毎日、仕事から帰宅すると2時間は自習していたという。
利用者との会話の中で最も頭を悩ませたのは、東北地方独特のなまりだ。
「この辺りの地域では、背中のことを「へなか」、かかとのことを「あぐど」と言います。身体の部位も言い方が異なるので、最初はちょっと混乱しましたね。でも、理解できないときは『わからない』と正直に伝えて、教えてもらいながら少しずつ日本語が上達していきました」(チャンさん)
実際、筆者からの質問も即座に理解し、流暢な日本語で受け答えしていたことに感心した。
介護福祉士の国家試験に高得点で一発合格
入職して4年近く経った、2023年1月。チャンさんは大きなチャレンジを試みた。国家資格である、介護福祉士の資格試験に挑んだのだ。
多くの日本人が受験する中、難関をくぐり抜け、見事一発合格。120点満点中、103点という高得点を獲得し(正解率約86%)、周りの日本人スタッフを驚かせた。
介護福祉士の試験を受けるにはいくつかルートがあるが、「実務経験が3年以上あることと、実務者研修を修了していること」などが条件となっている。
介護系の外国人技能実習生らが、初めて来日したのは2018年であることから、彼らが介護福祉士の試験を受けられるようになったのは、実務経験を3年以上積んだ2022年からだ。昨年に続き、2回目の試験ということもあり、受験者数も合格者数自体もまだ少ない。
試験問題は、漢字にふりがなが付いているものの、すべて日本語で出題される。そのため、N2レベル(日常会話に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解できるレベル)の日本語能力が必要となる。
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