仕事で成果出す人が実践「良い仮説」サッと作る技 短時間でできる「ヒューリスティック」とは?

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出所:仮説起点の営業論 セールス・スキルを磨くたった1つの方法

そのため大企業が決断するためには、成功確率が高くてステークホルダーの合意がとれる、十分に時間をかけて検証した仮説が必要になります。

もちろん中小企業においても成功確率が高い仮説のほうがいいと思うでしょう。しかし、検討に時間をかけるということは、それだけ顧客にも人件費などのコストが発生します。

100万円の費用がかかって150万円分の効果が見込める設備投資に対して、月の人件費50万円の人が1カ月かけて検討してしまうと、100万円の費用+50万円の人件費で150万円のコストがかかっており、150万円の価値に対して投資する意味がなくなってしまいます。

これに対して1億5000万円の効果が見込める設備投資に対して1億円の費用でできるのであれば、1人月の時間を検討にかけても4950万円のリターンが見込めます。そのため、それだけ検討に時間をかける価値があります。このように、価格に応じてリスクの許容度や検討にかけられる時間が変わります。

相対的に価格の安いプロダクトの営業であれば時間をかけずに仮説を立てることが重要になり、価格の高いプロダクトの営業では多少時間をかけても仮説の根拠を多くそろえることが重要になります。

ヒューリスティックをもとに短時間で仮説を作る

商材の価格が安かったり、SMB企業(中小企業)が顧客層だったりする場合は、短時間で仮説を作って事前準備をする必要があります。

これは先ほど書いたように顧客も検討に時間をかけるべきではないケースが多く、また自社としても商材の価格が安いのにそれを上回る営業コストを1案件にかけてしまうと原価割れしてしまい、ビジネスとして継続性がないからです。

では、短時間で仮説を作るにはどうすればいいかというと、まずはヒューリスティック(発見的手法)をもとに仮説を立てます。ヒューリスティックとは、経験や先入観によって直観的に仮説を立てる思考法です。

必ずしも正解とは限らないですが、正解に近い答えをスピーディーに得ることができます。例をあげてみましょう。

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