オンワード急回復「百貨店アパレル」の意外な健闘 11年ぶり活況のカギは「百貨店依存」からの改革
『23区』や『組曲』などを展開する、アパレルメーカー大手のオンワードホールディングスが好調だ。7月6日に発表した2024年2月期の第1四半期(3~5月)決算は、売上高499億円(前年同期比12%増)、営業利益53億円(同168.3%増)と大幅増益となった。
会社側の想定を上回ったことで、2024年2月期の通期業績予想を上方修正した。売上高は1888億円(前期比7.2%増)、営業利益は100億円(同91.8%増)と倍増を見込む。営業利益が100億円台に乗るのは実に2013年2月期以来、11期ぶりだ。
好調の背景には、国内百貨店の客足が回復し、オンワードの代表ブランドが堅調に推移したことがある。3~5月は婦人服が主力の『23区』が前年同期比で19.5%増、メンズスーツの『五大陸』は同11.2%増と2桁増収となった。
冠婚葬祭やビジネス需要が復活
市場回復は、百貨店の衣料品売り上げ実績からも見て取れる。
全国百貨店の3~5月における紳士服売り上げは前年同期比8.1%増、婦人服売り上げは同11.6%増の増収。5月8日から新型コロナの位置づけが「5類感染症」に移行され、旅行や冠婚葬祭、ビジネス関連の需要が息を吹き返した。
ここまでの道のりは長かった。コロナ禍に突入してからの3年間、オンワードは2020年2月期から3期連続で営業赤字に沈んでいた。オンワードはじめ百貨店アパレルはスーツやオフィスカジュアルなどの「仕事着」が主力商品。コロナ禍で在宅勤務が浸透し、回復には時間を要した。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら