SNSを「うまく活用できる人・できない人」の決定差 情報を発信するときに意識したいこととは

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そこで、最初にいくつか質問をぶつけて、上司が求めている情報がどういったものかの仮説を立てる。そして少し調べたうえで報告をして、「ああ、ここを深掘りしてくれればいい」とでも言ってもらえれば儲けものだ。それ以上手を広げることなく、その分野だけをさらに調査すればいい。

これでより相手のニーズに合った資料ができるし、自分の時間も労力も、大幅に短縮できる。これが「受け手意識」である。これは自分が何を求められているのかという「立ち位置(ポジション)」と「期待役割」の話とも通じる。

言葉のキャッチボールで、論点を明確化

ここで重要なのが「言葉のキャッチボール」だ。相手の求めていることを、何も対話せずに知ることはまず不可能。まずは「言葉のキャッチボール」により、自分が何を求められているかを知るのである。

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コンサルタントはこの言葉をよく使う。相手が言ったことに対して「これはつまり?」などと問い返し、相手がそれに答え……ということを繰り返すうちに、内容が絞られてくる。まさにキャッチボールである。では、何を投げ合っているのかといえば、難しい言葉を使えば「論点のキャッチボール」をしているわけだ。

上司と部下、あるいは同僚や顧客との対話の中で、この論点のキャッチボールをすることで、結果として何をしなければいけないのかが見えてきて、それによって初めてどういう情報を収集し発信しなければいけないのかが浮き彫りになってくるのだ。このあたりは現在話題の対話型AIが進化すれば、代わりにやってくれそうな気もする。

内田 和成 コンサルタント

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うちだ かずなり / Kazunari Uchida

東京大学工学部卒業。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。日本航空を経て、1985年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2000年6月から2004年12月までBCG日本代表、2009年12月までシニア・アドバイザーを務める。2006年には「世界の有力コンサルタント25人」(アメリカ『コンサルティング・マガジン』)に選出された。2006年より2022年まで早稲田大学教授。著書に『仮説思考』『論点思考』『右脳思考』(以上、東洋経済新報社)などが多数。

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