石原氏の「参院鞍替え」に批判も自信ありげな根拠 「世襲のボンボン」に自民内から批判続出

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石原氏がくら替えを宣言した次期参院選(2025年7月の予定)東京選挙区では、自民党現職の武見敬三氏(71)と丸川珠代氏(52)が改選となるが、丸川氏はすでに次期衆院選で東京7区からのくら替え出馬が決まっている。

石原氏は丸川氏の後継候補を狙う構えだが、同党都連は「後継も女性」として、新顔の女性候補らを選定中。さらに、丸川氏が所属する安倍派も「わが派の議席」(関係者)と石原氏の後継は認めない方針。

武見氏も「高齢による引退説もあるが、本人は続投に意欲満々」(周辺)。同氏は父親の故武見太郎元医師会会長を拠り所に、医師会の支援を軸に選挙活動をしており、「支持組織も石原氏との交代は認めない」(同)とみられている。

有権者の不興買った数々の「舌禍事件」

そもそも石原氏は、衆院10期で東京8区では8回連続当選、党幹事長や主要閣僚を歴任し、2012年秋の自民総裁選では、一時本命視された党の重鎮。ただ、数々の「舌禍事件」などで有権者の不興を買い、前回衆院選では立憲民主党の吉田晴美氏に3万票以上の差をつけられて惨敗し、比例復活当選もならなかった。

石原氏は6月27日の記者会見で、「東京8区の選挙区は後進に譲ります。憲法改正などまだやらねばならないことがありますから参院選に出馬します」と語ったが、「要するに東京8区では吉田氏に勝てる見込みがないから、参院に回ろうという安易な発想」(自民幹部)との批判が相次ぐ。

今回の石原氏の動きは、丸川氏の衆院くら替えがきっかけだ。しかし、同氏は前回、前々回の参院選では100万票を超す大量得票でトップ当選しており、「イメージの悪い石原氏では、丸川氏の後継にはなりえない」(同)との厳しい見方が広がる。

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