石原氏の「参院鞍替え」に批判も自信ありげな根拠 「世襲のボンボン」に自民内から批判続出
自民党の石原伸晃元幹事長(66)が次期衆院選に立候補せず、2025年参院選東京選挙区にくら替え出馬する意向を表明したことをめぐり、自民党内から批判が噴出し、ネット上でも大炎上する事態となっている。
石原氏は2021年10月の前回衆院選で、連続8回当選してきた東京8区で野党女性候補に大差をつけられ、比例復活もできずに落選。ただ、自民党は引き続き石原氏を同区支部長として、同氏後援会も次回衆院選での復活を期して活動してきた。
その状況下、石原氏が突然、「次期衆院選は後進に道を譲るが政界は引退せず、参院選東京選挙区から出馬する」と宣言したことが、大炎上につながった。「衆議院では勝てないから参議院で」という石原氏の言動には、世耕弘成参院幹事長も「参院として受け入れがたい」と反発。自民党東京都連も「藪から棒の話で、認められない」(幹部)と怒り心頭だ。
石原氏は故石原慎太郎元東京都知事(元運輸相、日本維新の会元代表など)の長男で、父親の威光も利用して当選を重ねてきた「親ガチャ政治家」(自民選対)。くら替えを狙う参院東京選挙区は与野党の有力候補がしのぎを削る注目選挙区だけに、「いくら知名度があっても、いきなり自民党の候補者調整に割り込む余地はない」(自民選対)との声が支配的だ。
「岸田、森山両氏との親交」が自信の源?
ただ、石原氏は岸田文雄首相と長年の親交があり、候補者調整を担う森山裕選対委員長の率いる森山派(近未来政治研究会)の前の石原派領袖でもある。このため「岸田さんや森山さんも理解してくれている」とくら替え実現への自信をにじませるが「このご時世に世襲のボンボンでは有権者がそっぽを向く」(自民都連幹部)との厳しい見方が少なくない。
秋の臨時国会での冒頭解散説もささやかれる中の、石原氏の「自分勝手なくら替え希望」(党執行部)に、当の岸田首相や森山氏も困惑を隠せない。その一方で党内の一部には、「石原氏は2025年7月の衆参同日選を念頭に置いている」(自民長老)との見方もあり、東京選挙区での候補者調整とも絡んで、今後の展開が注目されている。
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