「多様なシングル」世界で増える3つのメカニズム もはや一大マーケットの「独身人口」を読み解く
世界でますます存在感を増すシングルたち
現代の中国で11月11日といえば何の日か、ご存じだろうか。漢数字の「一」は、「独り者」の例えになっている。その数字が並ぶこの日は「光棍節(こうこんせつ)」と呼ばれる「独身であることを祝う日」だ。その起源は、1993年、中国の大都市の1つ、南京の各大学で、恋人のいない者どうしが集まってパーティーをしたことだった。
その後、世界中で大規模なオンライン・ショッピングのイベントに発展し、現代の中国社会の文化指標ともなっている。インターネット小売業の巨大企業アリババグループは、2017年の「独身の日」に、250億ドルを超える取扱高を記録した。これは同じ年の、アメリカのオンライン・ショッピングで最大のイベントである「サイバー・マンデー」(11月の第4木曜日の次の月曜日)の約4倍の金額だ。
アメリカでは、1950年には成人の22%がシングルだったが、今ではその数字は50%を超えており、アメリカで生まれる赤ん坊の4人に1人は一生結婚しないと予想される。
ヨーロッパでは、ミュンヘン、フランクフルト、パリなどの主要都市の50%を超える世帯がシングルだ。シングル増加の流れは、中東の保守的な社会において見られる。2014年、アラブ首長国連邦では30歳以上の女性のうち、独身者は60%を超えていた。 離婚率は40%で、ほんの20年前と比べて20%も高くなっていた。
このように世界のいたるところで、結婚の時期を遅らせ、1人で生活し、シングルでいることを選ぶ人が増えている。この現象の背後にはいったいどのようなメカニズムがあるのだろうか?
無料会員登録はこちら
ログインはこちら