「母の不幸は私のせい」親を背負い続けた末路 「いい子」「いい母」をやめると見えてくるもの

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そこで最後に社会全般に対し、私から言っておきたいのは「あまりいい親を求めないこと」「親に完璧を求めないこと」です。子どもが「親に尽くしすぎる、いい子」である必要がないように、親もまた「100パーセント、子どもに尽くす親」である必要はないのです。

本コラムの前回でも述べたように、特に核家族化が進んだ社会では、「親」というものに対する期待が過剰になりがちです。しかし親とて人間であり、人間は誰一人として完璧ではありません。

たった1つ、子育て中のママに伝えたいこと

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そして何より世のお母さんたちに、同じことを伝えたいと思います。「私は母親なのだから」と完璧を目指さなくていい。もちろん子どもに暴力を振るうなどは論外ですが、自分の子育てに自信を持てず、不安なあまり子どもに過度に気を使い、おもねるのは、かえって子どものためになりません。「立派すぎる母親」など目指さず、ちょっとくらい不良なところがあってもいいし、時には感情的になって声を荒らげてしまうことがあってもいい。

ただし「反省」は大切です。反省すれば次の言動が変わります。子どもに対する自らの言動を省み、次の言動にフィードバックする。それができるようになれば、自分の子育てに合格点をあげていいでしょう。

(構成:福島結実子)

岡田 尊司 精神科医、作家

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おかだ たかし / Takashi Okada

1960年香川県生まれ。東京大学文学部哲学科中退、京都大学医学部卒、同大学院にて研究に従事するとともに、京都医療少年院、京都府立洛南病院などで現代を生きる人々の心の課題に向かい合う。現在、岡田クリニック院長(枚方市)。日本心理教育センター顧問。著書に『愛着障害』(光文社新書)『発達障害「グレーゾーン」』(SB新書)、監訳書に『親といるとなぜか苦しい』(東洋経済新報社)など多数。小説家・小笠原慧としても活動し、作品に横溝正史賞を受賞した『DZ』などがある。

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