サウジアラビアが石油市場で大きな力を持つ事情 中国の中東における存在感がさらに高まる可能性

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一方で、世界最大の石油の純輸出国であるサウジアラビアにとっては、今後大きな石油需要が見込める中国やアジア市場に足場をつくることは大きな意味を持ちます。両国の関係強化はどちらにも利益があり、今後の国際情勢を考えれば自然な流れといえるのです。 

また、2023年3月には、中国の仲介で対立関係にあったサウジアラビアとイランが外交関係を正常化することに合意したという驚きのニュースが流れました。

石油をめぐる地政学が大きく変わるか

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今後、中国の中東における存在感はさらに高まっていく可能性があります。中国と対峙するアメリカにとって、この状況は好ましいとはいえません。

アメリカは自国ですべて対応する代わりに、中東と石油供給の安定のために今後は日本やオーストラリアのような同盟国やインドに対して、いままで以上の協力や貢献を求めてくることが考えられます。

バイデン政権では、同盟国、友好国との協力関係が重視されるようになっていることもあるためです。近い将来、日本にとっての石油をめぐる地政学も大きな変化を迎えるかもしれません。

小山 堅 日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員

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こやま けん / Ken Koyama

1959年、長野県生まれ。早稲田大学大学院経済学修士修了後、1986年日本エネルギー経済研究所入所、英ダンディ大学にて博士号取得。 研究分野は国際石油・エネルギー情勢の分析、アジア・太平洋地域のエネルギー市場・政策動向の分析、エネルギー安全保障問題。雑誌やテレビなどのメディアなどにも多数出演する。

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