風邪薬は「2つ目」に出る症状で選びなさい! 薬剤師が教える、意外と怖い「薬」の話

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なお、メインの症状を5日ほど過ごすと、ほぼ治るのですが、まれに違う症状が出ることがあります。せきが出る人もいれば、鼻水が続く人もいます。これはもはや風邪ではありません。

具体的には、次のようなケースが疑われます。

① 風邪の症状で体力が落ちているときに、かかってしまった細菌感染
② 体力が落ちているときに、現れてしまったアレルギー性鼻炎
③ どんどん気道の奥まで進んでいって気管支炎
④ 薬の副作用

ちなみに、私は、細菌感染と気管支炎の両方が3番目に現れます。ここまできたらおとなしく病院を受診します。

「傷寒論」が教える、薬の選び方

『その薬があなたを殺す!』(SBクリエイティブ)

「傷寒論」という漢方の本によると、病気は刻々と変わっていくので、それに合わせた薬を使うということが書かれています。

傷寒というのは急性で熱のある病気という意味で、今で言う風邪やインフルエンザ、腸チフス、マラリア感染症などをすべてひっくるめたものです。

この考え方により、漢方では、同じ風邪でも初期段階とそうでない場合では異なる処方(治療法)が用意されています。

たとえば、風邪の初期段階では寒気や関節痛、頭痛の症状が出ます。病気が表にあると考えて、汗で発散させようとします。これが有名な葛根湯です。

しかし、初期段階を過ぎた途中段階では、熱が持続します。悪寒がして、手足が冷たくなり食欲もなくなります。最終段階では意識もうろうとしてきます。

当然、それぞれの段階で使うべき薬が違います。初期段階で葛根湯を使うのはいいのですが、熱が持続し始めたときに葛根湯を使うのは効果がありません。小柴胡湯(しょうさいことう)や桂枝湯(けいしとう)を使いましょう。

薬も、刻々と変わる症状に合わせて選ぶことが必要になるのです。

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