マクドナルドができていない「基本中の基本」 店舗改装や地域対応の前に足元を見つめ直せ

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ただし、消費者はそれを直接見ることはできず、確かめる術はない。唯一判断できるのは、接点となっている店舗だけである。「マクドナルドの店舗は汚い」と思われてしまうと、営業戦略上もブランドイメージの点でも、いいことは何もない。

業態こそ違うが、同じ接客という観点で見てオリエンタルランドが運営する東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを例に取り上げたい。園内に飲食業態も複数入っている。それらのゴミが放置されたままの光景なんてほとんど見たことがないという人が多数だろう。

ディズニーランドに食べかすは転がっていない

仮にお客が食べかすを転がしてしまっても、スタッフがすぐさま清掃する。その徹底ぶりが、人気やブランドイメージの構築に一役買っている。「割れた窓」や「落書き」を放置している街が荒れてしまうのと同じように、ささいなほころびは無視できないのだ。

日本マクドナルドの「平成26年12月期 決算短信」には、食品の安全管理という点で、「店舗においては、食品衛生責任者の設置、害虫駆除の定期的実施、従業員の身だしなみチェックと手洗いの励行に加え、厨房機器の定期的なメンテナンス、食品管理に関するマニュアルの整備と従業員教育の実施等により、安全な商品をお客様に提供するための衛生管理を徹底」と記載されている。

一方で、店内とくに客席の清掃についての趣旨の記述は正直言って見当たらない。接客・サービス業で「基本中の基本」すらおぼつかなければ、失った信頼を取り戻し、競争力を回復させられるはずもない。店舗清掃と美観の維持というとあまりにも基本的すぎるかもしれないが、まずは文字どおり足元から徹底的にきれいにしなければ、これから打ち出すさまざまな施策も生きてこない。

佐藤 昌司 店舗経営コンサルタント

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店舗経営コンサルタント。立教大学社会学部卒。12年間大手アパレル会社に従事。現在は株式会社クリエイションコンサルティング代表取締役社長。セミナー講師。店舗型ビジネスの専門家。集客・売上拡大・人材育成のコンサルティング業務を提供。

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