世界3位・韓国ヒョンデ、日本再参入1年の手応え ガソリン車なし、オンライン販売に絞った狙い

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――そうした不安をどのように低減してEVを販売していきますか。

日本にとってEVはまだ新しい存在で、購入するにも勇気が必要だ。充電をどうするのか、整備をどうするのかなど、顧客にとっては不安も多い。少しでも不安を減らし、お客様にカーライフだけに集中して楽しんでいただきたいと、アイオニック5については、初回車検を含む新車登録後3年間の法定点検費用の基本料金とバッテリー冷却液の交換を無償にしている。カーライフは長いので、今後も整備のサービスの範囲を広げていきたい。

――EVの普及率が低いことで、むしろ「競合が少ない」というメリットを感じますか。

日本に先に進出したテスラを見るとメリットになるかもしれない。しかし、EV市場が大きくなれば、その分パイも大きくなるので、日本のEV産業にはインフラも含めてもっと早く成長してもらいたいと思っている。

ヒョンデは日本で認知度が低く、EVシフトが進まない中でお客様に関心を持ってもらうことは厳しい。現状、日本ではまだ「EVを受け入れる土壌」ができていない。社会的にEVに関心が出てくると、ヒョンデも選択肢になる。段階が必要だ。

難しい日本市場へ再参入した訳

――趙社長はこれまでドイツやアメリカ、中国に駐在してきました。各国と比べた日本市場の難しさをどうとらえていますか。

一番は輸入車に対するハードルの高さだ。日本における輸入車のシェアは約6%しかない。さらに輸入車市場はフォルクスワーゲンなどドイツ3社がほとんどを占めている。

欧米と比べても、日本のお客様は商品への「こだわり」がものすごくある。納車した車の状態をすぐチェックする細かさがあり、商品の取扱説明書をよく読んで勉強している。購入する車のことをすべて知り尽くしたいというお客様が多く、それらすべて対応しなくてはならないというのは、メーカーにとって難しさがある。

――そんな厳しい日本市場に、なぜあえて再参入したのですか。

一番厳しい市場で、一番目線の高いお客様の納得をもらい、満足してもらう。こだわりを持つ日本のお客様の要望に対応することができたなら、他の市場でも評価を高められる。ゆえに日本市場でお客様から認められることは、われわれの究極的な目標だ。

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村松 魁理 東洋経済 記者

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むらまつ かいり / Kairi Muramatsu

自動車業界、工作機械・ロボット業界を担当。大学では金融工学を学ぶ。趣味は読書とランニング。パンクロックとバスケットボールが好き。東京都出身。

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井上 沙耶 東洋経済 記者

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いのうえ さや / Saya Inoue

自動車業界を担当後、現在は専門店やアパレルなど小売業界を担当。大学時代は写真部に所属。趣味は漫画を読むこと、映画のサントラを聴くこと。

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