中国のEV大手、比亜迪(BYD)の乗用車EVが1月31日に、日本市場に上陸した。最初に投入するSUV「ATTO 3(アットスリー)」は440万円。年内に計3車種を投入し、2025年に販売店を100店舗以上展開する目標を掲げている。
2022年にEV販売が急伸し、1月30日には2022年12月通期決算の純利益が前年から5倍以上増えるとの業績予想を発表するなど絶好調のBYDだが、トヨタ自動車など現地メーカーのシェアが9割以上(軽含む)を占める日本市場は、グローバルで「輸入車禁断の地」「EV不毛地帯」と評され、攻略は簡単ではない。
中国メディアは「BYDにとって日本で何台売れるかはそれほど重要ではない」と達観しつつ、日本進出にはグローバル展開を見据えた別の目的があると分析している。
BYDをテスラもライバル視?
「中国の自動車メーカーを尊敬している。彼らは最もハードでスマートな仕事をする。中国の会社がテスラの次に来る可能性が最も高い」
2022年10~12月期決算で売上高、純利益ともに過去最高を更新したテスラのイーロン・マスクCEOはライバルについて聞かれ、そう答えた。具体的な企業名こそ明かさなかったが、「テスラの次に来る中国企業」と聞いて多くの人がBYDを思い浮かべただろう。
2020年までガソリン車の生産がEVを上回っていた同社は、2021年以降本気のEVシフトに取り組み、2022年3月にはガソリン車の生産を終了した。1月30日に発表した2022年12月通期の業績予想では、純利益が160億~170億元(約3000億~3200億円)となり、前年の5倍超に膨らむ。
同社によると2022年のEV、PHV(プラグインハイブリッド)を合わせた「新エネルギー乗用車」の販売台数は前年(59万4000台)の3倍を超える185万7000台に急拡大した。そのうちEVは同2.84倍の91万1000台。EVだけで見るとテスラの約131万台とまだ差があるが、昨年半ば以降「新エネルギー車の販売実績で世界一位」と喧伝するようになった。
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