中国の自動車輸出台数が初めて年間300万台を突破した。中国汽車工業協会が1月12日に発表したデータによれば、2022年の自動車輸出台数は前年比54.4%増の311万1000台に達した。
注目すべきなのは、EV(電気自動車)を中心とする「新エネルギー車」の輸出の急増ぶりだ。2022年の輸出台数は前年の2.2倍の67万9000台に上り、総輸出台数に占める比率が2割を超えた。
(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、EV、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)
メーカー別で最も多くの新エネルギー車を輸出したのはアメリカのテスラで、上海工場製のEVを27万1000台輸出した。これは新エネルギー車の総輸出台数の4割に相当する。
新エネルギー車の主要な輸出先はヨーロッパと東南アジアだ。中国海関総署(税関)のデータによれば、2022年1月から11月までの間に輸出された新エネルギー車の仕向地は首位がベルギー、2位がイギリス、3位がフィリピンだった。
(訳注:ベルギーにはヨーロッパ最大の自動車荷揚げ港があり、そこで上陸したクルマがヨーロッパ各国で販売されている)
ヨーロッパ市場の開拓に注力
そんななか、中国のEVメーカーが特に力を入れるのがヨーロッパ市場の開拓だ。国有自動車最大手の上海汽車集団は2022年9月、ヨーロッパ市場に新型EV「MG4エレクトリック」を投入。同社によれば、このモデルはすでにヨーロッパの30カ国近くで販売されているという。
EV専業大手の比亜迪(BYD)や新興EVメーカーの蔚来汽車(NIO)も、ヨーロッパ市場への浸透を急いでいる。BYDは2022年9月、主力車種の「漢」「唐」「元プラス」をヨーロッパ市場で発売。同年10月には現地レンタカー大手のSIXT(シクスト)と提携し、今後6年間に10万台以上のEVを供給する計画を打ち出した。
蔚来汽車は、同社が中国で推進する「電池交換式EV」のビジネスモデルをヨーロッパでも展開しようとしている。2022年9月には、ハンガリーのペシュト県に建設した充電設備の工場が稼働。車載電池の(交換機能をひとまとめにユニット化した)交換ステーションの生産とアフターサービスを開始した。同社は2023年中に、ヨーロッパ各国に120カ所の電池交換ステーションを設置する計画だ。
(財新記者:余聡)
※原文の配信は1月13日
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