世界で最も電気自動車(EV)を売る中国車は、日本でも受け入れられるのか。
中国のEV大手、BYDが1月末から日本での販売をスタートさせた。第1弾である「ATTO 3」は、440万円(税込み)で、バッテリー容量は約58キロワット、航続距離は485キロメートルだ。クルーズコントロールといった先進安全技術も備えている。今後、コンパクト型とセダン型の2車種を年内に発売する予定だ。
2022年12月の説明会でBYDオートジャパンの東福寺厚樹社長は「同じクラスのEVに対して十分競争力を持っているものと自負している」と語った。
販売代理店の思惑は
日本市場で幅広い客層に好まれるEV車種の投入を目指す。だが、クルマがよくても、BYDブランドを知らない日本の消費者にどうアプローチするか。そこで重要となるのが販売店網の整備だ。
「家に次ぐ高額な商品なので、試乗車に見て触って体感していただき、ディーラーと相談していただきながら納得してご購入いただくプロセスが大事」と東福寺社長は説明する。
1号店「BYD AUTO 東名横浜」は2月2日にオープン。全国で2025年までに100カ所の販売店を整備する構想を持つ。すでに21都道府県33カ所でオープン予定の店舗が決まっている。「ご検討いただいている場所も含めて70カ所でメドづけができそうだ」(東福寺社長)という。
大規模な販売網をどう構築するのか。人材の配置やショールームの建設といった手間のかかる作業をすべて独力で整備するのは現実的ではない。そのため、BYDオートジャパン直営ではなく、全国各地で販売店事業などを既に展開する企業との間で販売代理店契約を結ぶ方式をとる。販売事業を引き受けた企業側にはどのような思惑があるのだろうか。
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