「EVダメ」で世界に遅れる日本は本当に大丈夫か 元日産COO・志賀俊之氏が危機を訴える理由
ネガティブなイメージ払拭できず
――EV化で日本は世界に先駆けたはずでした。
日本では三菱自動車が2009年に「アイ・ミーブ」を、日産自動車が2010年に「リーフ」を発売した。同じような時期にアメリカではテスラが出てきた(2008年に「ロードスター」、2012年に「モデルS(初代)」)。テスラは今や世界トップのEVメーカーになった。
日産はEV化の初期に先頭にいてEV関連で約4000億円もの投資をしたが、大きな差を付けられてしまった。なぜダメだったのかとよく聞かれる。
国からの補助金をいただいて国内に6000基か7000基の急速充電器を作るなど初期段階で日本は頑張ったが、EVはブームにならなかった。当初は充電器が少ない、EVの航続距離が少ない、補助金があっても車として高く、下取り価格も悪い。走行距離が長いユーザーの場合、電池も劣化する。そういったネガティブなイメージが強く大衆化しなかった。
今もネガティブなイメージを払拭してEV化を進めていこうという強い先導役が日本にはいない。メーカー側のコミュニケーションの問題もあれば、欧米と比べて充電インフラへの予算も少ないといった国の政策の問題もある。
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