「1社だけでは」EV充電器の普及を妨げた温度差 自動車メーカー各社、国交省それぞれの思惑は

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充電インフラの整備について語るうえで欠かせない存在が、EVを造ることになる自動車メーカーの存在だ。かつては協力してインフラの構築に大きくかかわってきたが、実際は容易ではなかった。

日産アリア
日産が「アリア」を発売するなど、2022年は新しいEVの登場が相次いだ(編集部撮影)

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日産自動車が「リーフ」、三菱自動車が「アイミーブ」を国内で発売した2010年代初頭。EVの充電インフラの構築において、最初期に重要な役割を果たしたのは自動車メーカーだった。同年には急速充電の規格を定めた自動車メーカーらによるチャデモ協議会も発足。各自動車メーカーも充電インフラを整備するために動き始めた。

日産は2012年、ジャパンチャージネットワーク(JCN)を住友商事などとの出資により設立。それと同時期、トヨタやホンダ、三菱自、中部電力などが出資した充電網整備推進機構(CND)も公共施設に充電器の設置を始めた。

そこに立ちふさがったのが、各社の温度差とそれを調整する国土交通省との足並みの乱れだった。

「1社のためには動けない」

JCNは充電器の増設のためには高速道路のサービスエリア(SA)での設置が肝だと見た。全国規模でSAでの設置の意義を理解してもらうためにも高速道路を管轄する国土交通省に働きかけた。通常、競争入札で事業者を選定する必要があるが、同業他社がいなかったため、制度設計は遅々として進まなかった。当時の経緯を知る日産の小島誠太渉外部課長は、「国交省からは(公平性を担保するためには)『日産1社のためには国は動けない』と言われた」と振り返る。

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