中国自動車市場「1月の新車販売激減」の背景事情 政府の補助金打ち切りで需要息切れが鮮明に

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中国ではEVに代表される「新エネルギー車」の1月の販売台数が前月比半減した。写真は新興EVメーカー、小鵬汽車の生産ライン(同社ウェブサイトより)

中国の自動車市場で需要の息切れが鮮明になってきた。中国汽車工業協会が2月10日に発表したデータによれば、2023年1月の中国の新車販売台数は164万9000台と、前年同月比35%減少。直前2022年12月との比較でも35.5%の減少を記録した。

需要の落ち込みは政府の政策変更の影響が大きい。中国政府は2022年12月末、エンジン車の自動車取得税の軽減措置と「新エネルギー車」の普及促進のための補助金支給を打ち切った。それに伴う駆け込み需要の反動に加えて、春節(旧暦の正月、今年の元日は1月22日)の連休期間が1月下旬に重なり、自動車販売店の営業日数が減少したことも響いた。

(訳注:新エネルギー車は中国独自の定義で、電気自動車[EV]、燃料電池車[FCV]、プラグインハイブリッド車[PHV]の3種類を指す。通常のハイブリッド車[HV]は含まれない)

注目すべきなのは、新エネルギー車の販売台数でメーカー別の落差が広がってきたことだ。補助金打ち切りの影響により、1月の新エネルギー車の販売台数は40万8000台と前月の半分に縮小した。そんななか、テスラは1月に6万6000台を販売し、前月比18.4%の上乗せを実現した。

海外市場への輸出は好調維持

新エネルギー車の販売台数で首位の比亜迪(BYD)は、1月の販売台数が15万1341台と前月比36%減少した。とはいえ新エネルギー車全体の落ち込みよりは悪くない。新興EVメーカーの理想汽車も1万5141台を販売し、同28%の減少で踏みとどまった。

同じく新興EVメーカーの蔚来汽車(NIO)は、1月の販売台数が8506台と前月比40%以上減少した。小鵬汽車(シャオペン)は1月の販売台数が5218台にとどまり、同50%を超える落ち込みを記録した。

「2023年1~3月期は、中国の新エネルギー車業界にとって厳しい試練になるだろう」。蔚来汽車の共同創業者の秦力洪氏は2月6日、メディアの取材に対してそう率直に語った。

本記事は「財新」の提供記事です

一方で、海外市場への自動車の輸出は好調が続いている。中国汽車工業協会のデータによれば、1月の自動車輸出台数は30万1000台と前年同月比30.1%増加。そのうち新エネルギー車は8万3000台と同48.2%増加し、輸出全体に占める比率が3割弱に達した。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は2月11日

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