VTホールディングスの2021年度の新車販売のうち、日産とホンダが半分で、ほかにスズキ、BMW、フォルクスワーゲンなども扱う。今後、EVの販売の競争が本格化する中で、特定のブランドへの過度な依存はせず、複数のブランドを持つことでリスク分散する狙いがある。
もちろん、EVが普及するには時間がかかる。だが、中長期的に事業を拡大することを念頭に入れたうえでBYDの取り扱いもできるのではと考えたという。
中国メーカーに立ちはだかるハードル
一方、BYDのような中国の新興自動車メーカーが日本市場に参入するにはハードルは無数にある。
まずは、ブランドイメージだ。BYDはヨーロッパなどの中国以外への進出も進めており、世界での販売台数はテスラをも凌駕する。バッテリーを自社で開発することも強みだ。日本ではEVバスやフォークリフトを販売し、2022年夏に日本の乗用車市場への参入を発表した。
だが、日本の消費者の間では中国メーカーに対する拒否反応は強く、日系メーカーを選択する消費者が大半とみられる。輸入車のカテゴリーでもヨーロッパメーカーの存在感が強い。韓国自動車メーカーの現代自動車は1度は日本市場からの撤退を経験しており、新規参入は容易ではないことをものがたる。
そもそも日本ではEV普及が進んでいないことも障害の一つだ。新車販売(軽自動車除く)に占めるEVの割合は全体の1.4%(2022年)に過ぎない。
日本で販売される車種はBYDの中国国内の工場で生産し、海上輸送を経て最大5週間で納車する予定だ。3月中旬以降に初の納車を予定している。アフターサービスについては三菱倉庫と契約し、新車だけでなく1000台相当のアフターパーツを中国から輸入して保管する。
BYDが着実に日本での販売の体制を整えれば、消費者にとってEVの選択肢は増えることになる。EVに関心があるユーザーを取り込むことができれば、日本でのEV自動車販売の競争激化につながりそうだ。
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