「らんまん」で話題、南総里見八犬伝はどんな話? 寿恵子と万太郎が結ばれる場面で重要な役割

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超大作『南総里見八犬伝』は、いったいどのような物語なのか(写真:arie/PIXTA)
学校の授業では教えてもらえない名著の面白さに迫る連載『明日の仕事に役立つ 教養としての「名著」』(毎週日曜日配信)の第37回は、朝ドラ『らんまん』でも話題になっている『南総里見八犬伝』について解説します。
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朝ドラ主人公が夢中で読む『南総里見八犬伝』

現在放送されている朝の連続テレビ小説『らんまん』。このドラマで、ひそかに話題になっている「名著」がある。それは、曲亭馬琴のつづった『南総里見八犬伝』だ。

浜辺美波が演じる寿恵子が夢中になって読んでいる『南総里見八犬伝』。なんと最近の展開では、寿恵子と主人公の万太郎が結ばれる場面で重要な役割を果たしていた。プロポーズされた寿恵子は、万太郎に、このように語るのだ。

「たとえ、作者が亡くなったとしても、完結した物語は消えないんです」

『南総里見八犬伝』は、なんと全九十八巻。馬琴が晩年やっと完成させた長編物語である。しかし寿恵子は、この物語が長編だからこそ、完結していることが重要だったのだと語る。完結して、すべてがもうつづられていると思うから、読者は読もうと思える。だからこそ万太郎も、植物図鑑を完成することを約束してくれ、と伝えるのだった。

つまり万太郎の植物図鑑完成モチベーションを『南総里見八犬伝』が担っているのだとすれば、牧野富太郎の人生を描いた『らんまん』において、この物語は実はかなり重要な役割を果たしていることになる。

『南総里見八犬伝』。はたしてこの超大作は、いったいどのような物語なのか? 今回は実際に寿恵子がこよなく愛した『南総里見八犬伝』を読んでみよう。

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