「明日から本気出す」毎日思ってもいいんじゃない 精神科医が贈る心がスーっと軽くなるメッセージ

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足は「逃げる」ために使っていい。逃げ出す道が「前」でもいい。

「疲れたら休もう」と言うと、「休むとさぼってるみたいで罪悪感が湧く」という人もいるでしょう。

休んだって、ゆっくりしたっていいんですよ。

良き日のために、エネルギーを溜めておかないといけないんだから。

スヌーピーもこう言ってます。

I need plenty of rest in case tomorrow is a great day……

(明日がすばらしい日だといけないから、うんと休息するのさ……)

休息って前向きなことなんです。

まあ、後ろ向きでもいいんですけどね。

「人は前向きじゃないといけない」って思い込みすぎている人が多い気がします。前に進みたくないときは、いったん止まっても、寄り道してもいいんです。

何が前向きかは自分で決めるもの

「そもそも、前向きっていうけど、その方向が『前』だなんて、誰が決めたんだ?」ってパターンもありますよね。

例えば、同僚に「上司に少しくらい暴言を吐かれても、前向きにお仕事がんばろうよ」と言われたとして、「それって本当に前向きなのかな?」と疑問に思いませんか?

上司の暴言を我慢し続けることは、単に同僚や上司にとって「前向き」なだけで、自分にとっては「後ろ向き」、「自分いじめ」を放置し続けることにもなりかねません。

何が前向きかは自分で決めるものだと思います。

今向いているほうが前でいいし、逃げ出す道が前でもいい。

『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「逃げる」だってそうです。

「攻撃してくる人から逃げる」「不愉快なSNSの書き込みから逃げる」「ブラックな職場から逃げる」「婚活のプレッシャーから逃げる」「毒親から逃げる」……これってそんなに後ろ向きでしょうか?

足は前に進むためにある、なんて言う人がいるけれど、私は逃げるために使ってもいいと思います。

だって逃げる方向が本人にとっての前なんですから。

無理して前向きにならなくていいし、嫌な場所から逃げてもいい。嫌なことをされたときに我慢して笑うのが愛想というなら、愛想なんて捨ててもいい。

本当に自分の大切なものにエネルギーを使うときのために、休んだっていいんです。

嫌な人のために自分が我慢しなくてもいいんですよ。

ポイント:何が前向きかは自分で決める
藤野 智哉 精神科医

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ふじの ともや / Tomoya Fujino

1991年生まれ。精神科医。産業医。公認心理師。秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。 障害とともに生きることで学んできた考え方と精神科医としての知見を発信。著書に『「自分に生まれてよかった」と思えるようになる本』(幻冬舎)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)など。

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