「相棒」レギュラー卒業した六角さん語る今の心境 「どんな状況になっても、楽しむ努力は忘れない」

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――ただ、「人生100年時代」と言われると、50歳でもまだまだ人生折り返し地点。これから先も頑張らないといけない感じがしてきます。

人生100年と言っても、「健康寿命」は人それぞれですからね。健康的に日常生活が送れる年齢って、実はそんなに高くない気もするんですよ。寿命が延びても、さすがに70代、80代でバリバリ仕事をするのは身体的につらいと思う。

――六角さんはご著書の中で「仕事がなくなった時が定年だ」とおっしゃっています。定年後はどういうプランで行きたいですか。

自分のバンドで、全国の小さいライブハウスを回りたいかな。それなら好きな鉄道の旅も叶えられるし。

――お仕事も引く手あまたですから、老後の資金も安泰なのでは? 

それがね、性分なのか、お金が貯まらないんですよ。自分にとってはバンドの経験が財産で、それが老後の貯蓄みたいなものなんです。

「『相棒』の鑑識が来たよ~!」とか、半分だましてるみたいだけど、それでライブに足を運んでくれる人がいたらうれしいなぁ。バンドで稼いだお金で、少しでも我々メンバーの生活の足しになれば、それで十分です。

自分が今いる場所をちゃんと楽しむ

――50代後半ともなると、職場では役職定年などで第一線から離れる人も少なくありません。仕事へのモチベーションをどこに持っていったらいいか、悩む人も多いと聞きます。

そしたら、若い人たちの役に立とうとするのが一番いいんじゃないかな。自分が主体じゃなくて、サポート側に回る。すると、今までにない面白い発見があるかもしれません。

「自分はこれだけやってきた」というプライドもあるだろうだけど、第一線から外れたことは事実なんだから、そのことを素直に受け止めたほうがいいと思う。悶々と悩んでも体に悪いですから。

1962年、兵庫県生まれ。学習院大学中退。1982年に劇団「善人会議」(現・扉座)の旗揚げに参加。主な劇団公演に出演し、その後ドラマや映画などでも活躍。2009年「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」で映画初主演。大劇場から小劇場まで幅広くこなす役者ながら、鉄道好きでも知られ、「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」(NHK-BS)などの番組にも出演。ミュージシャンとしても「六角精児バンド」で2枚のCDをリリース。2022年には初のソロアルバム「人は人を救えない」を発表した。7月4日(火)21時スタートのドラマ「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」(テレビ朝日系)にレギュラー出演。また、NHKラジオ第1の生放送番組「ふんわり」木曜日のパーソナリティーを担当(撮影:尾形文繁)

何もやることなかったら、朝早く起きて歩くのはおすすめです。1日30分でも1時間でも歩く。そしたら、健康になっていくし、見える景色が変わってくるかもしれない。

僕は、会社という場所を与えられて、お金もらえて、あまり期待はされないという設定は素敵だなと思うけどなぁ。楽園とまでは言わないけど、自分の今いる場所をちゃんと楽しまないともったいないです。

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