定年後に付きまとうお金、孤独、健康の不安が消える秘策がある。
「人生100年時代といわれる中で、サラリーマンは遅くても65歳には定年を迎えます。しかし余生を過ごすにはあまりに早すぎる。お金の心配もあります。そのため定年後も働きながら年金プラスアルファのお金を稼ぐというのが、幸せなライフスタイルだと推奨しています」
サラリーマン人生の終わりが見え始めた参加者たちは、メモを取りながら真剣な表情で話に耳を傾けていた。講師はフリーの研修講師や経営コンサルタントとして活動する大杉潤氏。大手メーカーが主催した50代のサラリーマンを対象とする「退職後研修」での一コマだ。
こうした研修や講演の依頼は引きも切らず、大杉氏は全国を飛び回っている。
なぜ大杉氏はそんなに人気なのか。理由はその経歴にある。大学を卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。22年間勤めた後に東京都に転職し、新銀行東京(現きらぼし銀行)の創業メンバーとなる。
その後、人材関連会社や、グローバル製造業の人事・経営企画の責任者を経て、2015年、57歳のときに独立して起業したのだ。つまり、自身がサラリーマンを経て定年前に独立した経験をしているからこそ、定年前後のサラリーマンたちの気持ちがわかり、実践的なノウハウを提供できる。そこが人気の秘密なのだ。
働くことで不安を解消
老後には、3つの大きな不安がある。まずは「お金」だ。この1〜2年は別にして、それより以前の30年間、賃金はほとんど上がらなかった。また労働人口の減少によって年金財政も厳しさを増しており、「老後資金は足りるのだろうか」と不安を抱く人は少なくない。
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