「相棒」レギュラー卒業した六角さん語る今の心境 「どんな状況になっても、楽しむ努力は忘れない」

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「仕事がなくなった時が定年だ」と話す六角精児さん(撮影:尾形文繁)
ドラマシリーズ『相棒』の鑑識役で人気を博し、還暦を迎えた今も俳優業をはじめ、鉄道番組やラジオ出演、バンド活動と幅広い分野で輝き続ける六角精児さん。
ギャンブルによる借金苦、三度の離婚など波乱万丈な道のりの末、たどり着いた自身の生き方をつづった著書『六角精児の無理しない生き方』が話題となっています。
そんな六角さんに、仕事や健康面で人生の岐路に差しかかる50代、60代に向けて、肩ひじ張らない生き方の秘訣や人生後半戦の楽しみ方について語ってもらいました。
(前編:『六角さん、借金苦でどん底に成功あきらめた過去』)

『相棒』のレギュラーを卒業したワケ

――六角さんの中で、「もうどう思われてもいいや」と肩の力が抜け始めたのが50代ぐらい。『相棒』を降板されたのも、50代半ばぐらいでしたよね。

そうですね。撮影に半年以上かかるので、ほかの仕事に挑戦する時間がなかなか取れないなと感じたのが一番の理由です。それに鑑識役が16年も続いてうれしい気持ちもありつつも、自分でも長いなと感じて、卒業することにしたんです。

時間ができたことで、バンド活動も鉄道番組も本格的に取り組めるようになったし、その結果としてラジオの仕事にも広がっていきました。

あの時、決断してほんとによかったなと思いますね。

――六角さんはご自身の趣味でもある、音楽や鉄道旅がお仕事になって、理想的な働き方をされているなと憧れを感じます。

好きで始めたことが仕事になって、自分でもうらやましい奴だなと思いますよ。ただ、こうしていろんなことにチャレンジできるのは、自分のことを大した人間じゃないと思っているから。「どうせ俺はこんなもんだ」と思っているから、何でも気楽にできるんです。

年を取ってから、「俺はこんなもんじゃない。まだまだできる」と、ハードルを上げてしまうと苦しいからね。

「俺の才能が花開くのはこれからだ!」って言っても、この歳になって出てくる才能なんてないですから。俳優で60過ぎて売れっ子になった人は、酒向芳(さこう・よし)さんぐらいなもんです。

ご本人は「最近、なんだか忙しいんだよなぁ」って、つぶやいているぐらいだから、売れている自覚ないかもしれないけど(笑)。

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