「相棒」レギュラー卒業した六角さん語る今の心境 「どんな状況になっても、楽しむ努力は忘れない」
『相棒』のレギュラーを卒業したワケ
――六角さんの中で、「もうどう思われてもいいや」と肩の力が抜け始めたのが50代ぐらい。『相棒』を降板されたのも、50代半ばぐらいでしたよね。
そうですね。撮影に半年以上かかるので、ほかの仕事に挑戦する時間がなかなか取れないなと感じたのが一番の理由です。それに鑑識役が16年も続いてうれしい気持ちもありつつも、自分でも長いなと感じて、卒業することにしたんです。
時間ができたことで、バンド活動も鉄道番組も本格的に取り組めるようになったし、その結果としてラジオの仕事にも広がっていきました。
あの時、決断してほんとによかったなと思いますね。
――六角さんはご自身の趣味でもある、音楽や鉄道旅がお仕事になって、理想的な働き方をされているなと憧れを感じます。
好きで始めたことが仕事になって、自分でもうらやましい奴だなと思いますよ。ただ、こうしていろんなことにチャレンジできるのは、自分のことを大した人間じゃないと思っているから。「どうせ俺はこんなもんだ」と思っているから、何でも気楽にできるんです。
年を取ってから、「俺はこんなもんじゃない。まだまだできる」と、ハードルを上げてしまうと苦しいからね。
「俺の才能が花開くのはこれからだ!」って言っても、この歳になって出てくる才能なんてないですから。俳優で60過ぎて売れっ子になった人は、酒向芳(さこう・よし)さんぐらいなもんです。
ご本人は「最近、なんだか忙しいんだよなぁ」って、つぶやいているぐらいだから、売れている自覚ないかもしれないけど(笑)。
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