「相棒」レギュラー卒業した六角さん語る今の心境 「どんな状況になっても、楽しむ努力は忘れない」

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――「今いる場所をちゃんと楽しむ」。いい言葉です。

皆、何をそんなに仕事に対して追い求めているんだろう、って思うんだよね。その先には、何もないですよ。

確かに仕事でしか得られない充実感はあると思うけど、後半生はその充実感に代わるものを見つけていかないと。それが老後の課題というものです。

――老後には“課題”があるんですか。

そうです。「自分に与えられた残り時間をどう楽しむか?」ってことです。だから、ちゃんと楽しもうとする努力はしたほうがいいですよ。

仕事が減ることは寂しいことじゃない 

――老後の夫婦関係についてはいかがでしょう。定年してお互い家に居るようになると、夫婦間のストレスが増大するとも言われますが……。

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うちの場合は、奥さんに「頼むから外に出ていってくれ」って言われるかもね。そしたら、出ていくことを楽しむかな。

部屋がいくつかあるんだったら、家の中で距離を置いて暮らすとか。「あなた、ごはんは勝手に食べてね」という感じで、生活時間やスタイルを別々にするとストレスは減ると思います。

定年後は自分ひとりの時間を楽しんで、昔の映画を見たり、本を読んだり。それこそ電車に乗って、知らない駅、一つ一つ降りてみて、街歩きをすれば飽きることはありません。どこにお住まいですか。

――私は熱海と東京の二拠点生活をしています。

そうなんだ。じゃあ、東海道線で熱海に行くときに、その手前の根府川駅で降りてみたらいかがですか。東京だったら、行ってみたい会社の社員食堂に社員みたいな顔して入ってみるのも面白いんじゃない? 

――知らない会社にいきなり入って大丈夫なんでしょうか。

うん、ダメだと思う(笑)。でも、「この会社はセキュリティちゃんとしてるんだなぁ」とか、スリルがあるじゃないですか。理性のある徘徊です。

――年齢とともに、仕事の量を減らしたりされていますか。

仕事は減らしていないけど、この先、自然と減っていくとは思います。

皆さんは、仕事が減ることを寂しいことだと思われるかもしれないけど、僕はむしろ気持ちいいとさえ思ってる。何もなくなってもいいんじゃないかと思ってるもんね。

僕、もう十分なんですよ。これだけいろんな人に、うれしいことを言ってもらえたり、好きなことをさせてもらえたり、満足なんです。もし、この先仕事が減っても、「そりゃそうだよな」と思うだけ。

ただ、どんな状況になっても、楽しむ努力は忘れないつもりです。

(前編:『六角さん、借金苦でどん底に成功あきらめた過去』)

伯耆原 良子 ライター、コラムニスト

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ほうきばら りょうこ / Ryoko Hokibara

早稲田大学第一文学部卒業。人材ビジネス業界で企画営業を経験した後、日経ホーム出版社(現・日経BP社)に。就職・キャリア系情報誌の編集記者として雑誌作りに携わり、2001年に独立。企業のトップやビジネスパーソン、芸能人、アスリートなど2000人以上の「仕事観・人生哲学」をインタビュー。働く人の悩みに寄り添いたいと産業カウンセラーやコーチングの資格も取得。両親の介護を終えた2019年より、東京・熱海で二拠点生活を開始。Twitterアカウントは@ryoko_monokaki

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