元Google人事が説く管理職がやりがちなNG行動 エンジニアの心理的安全性を下げる行動とは?

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結果、2015年頃に始まったのが、人が人らしく生きるための「働き方改革」。そして2020年にはコロナ禍が到来し、世界各国の働き方が一変しました。

社会が大きく変わっていく中で会社が存続するためには、組織が多様な価値観を内包していることが欠かせません。

また、副業などの社外活動に取り組む人が増えた今、会社軸ではない、個人軸でのキャリア形成も一般化しています。

すると、これまでのように「(会社が)雇ってやる」という態度では組織が立ち行かなくなってしまう。とくに、売り手市場のエンジニアにおいてはなおさらです。

「会社は環境を用意し、個人は価値を発揮する」という対等な関係が主流となったことで、環境づくりにおける重要なファクターの1つとして心理的安全性が注目されるようになったと考えています。

チームメンバーとの深く率直な議論が不可欠

──心理的安全性について、ピョートルさんが考える定義を教えていただけますか?

書籍の中では、心理的安全性が確立された状態を以下のように定義しています。

【1】対人関係においてリスクのある行動を取っても、『このチームならばかにされたり罰せられたりしない』と信じられる状態
【2】メンバーがネガティブなプレッシャーを受けずに自分らしくいられる状態
【3】お互いに高め合える関係を持って、建設的な意見の対立が推奨されること

このうち、とくにエンジニアリング組織において重要になるのは【3】。なぜなら、エンジニアは多様なアイデアをもとに新しい価値を創造する仕事だからです。

刻一刻と変化する社会のニーズを正しく捉え、革新的なプロダクトを世に送り出すには、チームメンバーとの深く率直な議論が不可欠。

「こんなことを言うと相手のメンツをつぶしてしまうかも」と忖度することは、組織やプロダクトのためになりません。

人格否定や単なる攻撃はむろん避けるべきですが、よりいいプロダクトを開発するためには、建設的な意見の対立がしっかりと起こる環境をつくることが大切です。

とはいえ、実際の現場では、「心理的安全性」がうまく高められていないケースが多いようですね。

(写真:エンジニアtype編集部)
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