"テスラ越え"目指すTuringの1台目開発の舞台裏 「自分たちならできる」実感はなぜ大事なのか

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2023年1月に初のエンドユーザー向け製品となる『THE 1st TURING CAR』を発売。自社開発のAI自動運転システムを搭載した製品を1台限定で販売し、大きな反響を呼んだ(参照元

ただ、この1台目の車両は、同社が目指す完全自動運転車ではなく、他メーカーの既存車にTuring製の自動運転システムを搭載した、いわば改造車だ。

完成車メーカーを目指す同社にとって、この1台目の販売にはどんな意味があったのか。CTOの青木さんとUXエンジニアリング チーフエンジニアの渡邉 礁太郎さんの二人に話を聞くと、前例のないチャレンジをするために必要なものが見えてきた。

売らないと、売れない。だからまず1台だけ造って売った

――Turingはなぜ、自動運転システムにとどまらず、ハードウエア(完成車)まで造る会社にしようと思ったのですか?

Turing株式会社 共同代表/CTO 青木俊介さん(@aoshun7)。米国カーネギーメロン大学計算機工学科でPh.D(博士号)取得。米国では自動運転システムの開発・研究に従事し、サイバー信号機の開発やGM社ウルトラクルーズの開発に携わる。2021年より国立情報学研究所の助教に着任。同年、山本一成氏とTuringを共同設立

青木どうせ事業を起こすなら、世の中の価値観や、長年解消されない社会課題を払拭するようなことを成し遂げたかったんです。

中でも自動車産業はグローバルで300兆円規模にもなる市場でありながら、国内では長い間、新しいカーメーカーが生まれていません。一方海外に目を向けると多くのスタートアップが挑戦しています。

特に、EV専業メーカーであるテスラはその代表格。だから私たちも創業時からテスラを追い越すという明確なミッションを掲げています。

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