"テスラ越え"目指すTuringの1台目開発の舞台裏 「自分たちならできる」実感はなぜ大事なのか
ただ、この1台目の車両は、同社が目指す完全自動運転車ではなく、他メーカーの既存車にTuring製の自動運転システムを搭載した、いわば改造車だ。
完成車メーカーを目指す同社にとって、この1台目の販売にはどんな意味があったのか。CTOの青木さんとUXエンジニアリング チーフエンジニアの渡邉 礁太郎さんの二人に話を聞くと、前例のないチャレンジをするために必要なものが見えてきた。
売らないと、売れない。だからまず1台だけ造って売った
――Turingはなぜ、自動運転システムにとどまらず、ハードウエア(完成車)まで造る会社にしようと思ったのですか?
青木:どうせ事業を起こすなら、世の中の価値観や、長年解消されない社会課題を払拭するようなことを成し遂げたかったんです。
中でも自動車産業はグローバルで300兆円規模にもなる市場でありながら、国内では長い間、新しいカーメーカーが生まれていません。一方海外に目を向けると多くのスタートアップが挑戦しています。
特に、EV専業メーカーであるテスラはその代表格。だから私たちも創業時からテスラを追い越すという明確なミッションを掲げています。