「りくりゅう」所属、木下グループの選手支援力 フィギュアスケートファンには知られた社名
「木下グループ」と聞いて、多くの人はどんな会社をイメージするだろうか。傘下にある木下工務店だろうか。「PCR検査センターを空港や繁華街に展開した会社」だろうか。実はフィギュアスケートファンにとって同社の名は、「フィギュア支援に熱心な会社」として聞き慣れたものだ。
2023年のフィギュアスケート世界選手権で優勝した三浦璃来さん・木原龍一さんの「りくりゅう」ペアは、木下グループに所属している。実力と人気を兼ね備えた国内外のトップスケーターが数多く出演する「スターズ・オン・アイス ジャパンツアー2023」は、全公演のタイトルに「木下グループプレゼンツ」の文言が付いた。
木下グループは「総合生活企業」として、建築不動産、医療福祉、エンタメなど多角的に事業を展開している。スポーツ分野では、個別の選手支援のほかに「木下卓球アカデミー」や「木下スケートアカデミー」を持つ。
始まりはジャパンオープン協賛
木下グループがフィギュアスケート支援に取り組み始めたのは2006年からだ。
「詳しい経緯は社内でもわからないのですが、スタートは『ジャパンオープン』への協賛です。この大会に2006年から当社が特別協賛する形で支援を開始しました」(発言は以下、木下グループ広報)
2006年といえば、トリノ五輪で荒川静香さんが日本人として初めてフィギュアスケートで金メダリストになった年だ。木下グループのジャパンオープン協賛が決まったのは五輪より前だったが、当時は男子女子ともシングルに優れた選手が多く、フィギュアスケートへの関心が高まっていた。
ジャパンオープン2006年大会には日本チームとして、髙橋大輔さん、本田武史さん、浅田真央さん、安藤美姫さんが出場。団体戦形式の珍しさもあり、入場券は前売り開始当日のうちに完売した。
今でこそ人気の大会やアイスショーのチケットは事前に何段階もの抽選が行われるが、当時は入場券が発売開始日に売り切れることは想定外だったようだ。チケット完売を受けて救済措置的に、急きょ、アイスショー的な催しの「ジャパンオープン2006ガラ」を大会同日に開催することが決まった。現在の「カーニバル・オン・アイス」だ。
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