「りくりゅう」所属、木下グループの選手支援力 フィギュアスケートファンには知られた社名
木下グループが個別選手の支援を開始したのは2009年。アイスダンスのキャシー・リードさんとクリス・リードさん姉弟の支援が最初だった。
その後、2010年にペアの高橋成美さんとマーヴィン・トランさん、2013年からは高橋さんと木原龍一さんを支援した。
高橋・木原ペアの解消以降は、高橋さんと木原さんをそれぞれ並行して支援した。その後、高橋さんは2018年に現役を引退。木原さんは2015年に須崎海羽さん、2019年に三浦璃来さんと組み、今に至る。
男子シングルの島田高志郎さんも木下グループに所属している。国際大会の表彰台にも乗る、注目の選手だ。今年のスターズ・オン・アイスに出演し、フレッシュな演技を披露した。
この6月には、女子シングルの島田麻央さんが木下グループ傘下の会社とマネジメント契約を結んだと発表された。
木下アカデミーに所属し、今年3月の世界ジュニア選手権で日本勢最年少での優勝を果たした期待の選手だ。今年のスターズ・オン・アイスに出場し、カラフルな衣装と軽快な演技で会場を沸かせた。
支援対象の選手は移り変わりつつも、木下グループが支援の中心としてきたのは、カップル競技だった。
フィギュアスケート人気が高まる中とはいえ、世間で注目されてきたのは主に男子シングルと女子シングル。なぜその状況で、しかも2009年から15年目となる今日に至るまで、カップル競技に集中的な支援を行ってきたのか。
「支援を始めた理由自体が、カップル競技の強化だったからです。当時、日本スケート連盟からカップル競技を支援してほしいとの要請を受けました。2014年のソチ五輪から団体戦が採用されると決まったものの、日本ではカップル競技2種目が厳しい状況で強化が必要でした」
カップル競技の支援が結実
団体戦では、男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの4種目それぞれの順位に応じてポイントが与えられる。結果は合計点によって決まるため、メダルを獲得するには勝てる選手が全種目に必要だ。
当時シングルには髙橋大輔さん、荒川静香さん、安藤美姫さんら優れた選手が多かった。そうしたメジャーな選手にはスポンサーがつきやすく、連盟も強化費を出せた。しかし、カップル競技支援に手が回るほど恵まれた状況ではなく、木下グループに支援依頼の声がかかった。
男子シングル、女子シングルが高得点を得る一方で、カップル競技は団体戦の足を引っ張る、とシビアに見られることもあった。そんな発展途上のカップル競技の支援を始めて14年、図抜けた成果が上がる。
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