感染症から国民を守れない「日本版CDC」の大問題 関連法が成立「対策の中心的役割を担う」組織

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日本で最も論文数が多いのは東京大学の663報で、京都大学386報、慶應義塾大学303報、大阪大学302報、北海道大学275報と続く。

トップの東京大学でも調査対象34大学中18位で、イギリスのオックスフォード大学の2843報、アメリカのペンシルバニア大学の2287報、中国の香港大学の2600報、北京大学の1210報とは比べものにならない。

興味深いのは、このような大学から発表される論文数が、CDCなどの政府系研究機関よりはるかに多いことだ。例えば、イギリスはオックスフォード大学とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ケンブリッジ大学の4つで同国の論文数の41.5%を占めている。政府系研究機関であるイギリス健康安全保障局(136報、0.6%)とは比較にならない。

アメリカや中国の研究事情

アメリカの状況はやや違う。ペンシルバニア大学、スタンフォード大学、エール大学、ハーバード大学などの上位9大学の論文を合計しても、アメリカ全体の19.3%に過ぎない。アメリカの政府系研究機関である国立衛生研究所(NIH)とCDCの論文数は1376報(3.0%)、906報(2.0%)に過ぎず、このような国家組織や有名大学「以外」から4分の3以上の論文が発表されている。

中国もアメリカの状況と似ている。発表論文数が多い北京大学、復旦大学、清華大学が発表した論文数は中国全体の11.4%、中国の政府系研究機関である中国疾病預防控制中心(CCDC)は1.6%に過ぎない。アメリカ同様それ「以外」からの発表が多く、裾野が広い。

政府機関と比べて大学からの論文発表が多いのは、コロナ感染症対策が従来型の公衆衛生や感染症研究にとどまらず、臨床医学、免疫学からゲノム医学、さらに情報工学など幅広い分野の専門家の協力が必要になっているからだろう。

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