コンサル企業「経営戦略→業務請負」になった背景 コンサル「中の人」が語る事業転換していく経緯
マッキンゼー流に言うとBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)。業務の本来の目的に向かって既存の業務プロセス全体を見直して新しい業務を設計することです。それは、答えのない戦略作りと比べて、目的が明確な分、相対的に難易度は低くなります。受験に強い高偏差値大学出身者の得意分野でもありました。
さらに、システム導入は、システムというアウトプットが定まっている分、堅い検討が可能になります。代表例はERP(エンタープライズ リソース プランニング)の導入。だいたい2000年ぐらいから始まったのですが、どんどん進化していって、現在では、業務ごとに用意されたシステムに合わせれば、企業の業績がよくなる、というような触れ込みになっています。
コンサルというより業務請負、外注先に
これはクライアントとコンサルタント双方にとってメリットがあります。新卒1年目は、業務を十分に理解できなかったり、経営者と話せなかったりするのですが、半年間もトレーニングすれば、少なくともERPの特定部分をクライアントに説明することはできるようになります。
こうしたIT系や昔からある会計系の業務改善にとどまらず、最近、広がりを見せているのが、人事採用系、人事総務系の業務請負です。コンサルティングというより業務請負、いわば企業にとっては外注先です。
それも、事務処理などの定型業務から、だんだん、サプライチェーンの企画、マーケティングの企画へと進み、経営企画といった企画業務も、コンサルが業務請負でやるようになってきているのが現状です。欧米ではすでに、企業がやるところとコンサルタントがやるところが、ハッキリと分かれてきていますが、日本ではそうではなく、徐々に丸投げ状態になりつつあります。
それでは具体的にコンサルの社員は何をしているのだろうか。コンサルというより、業務請負的な内容で社員は育つのだろうか。次回はこうしたコンサルの方向転換の落とし穴と日本経済への影響について語ってもらう。
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