本心を誤解されやすいのは感情を隠しているから 積み重なると信頼を失い、メンタル不調になる

拡大
縮小
感情を表に出すことを恐れる必要はない(写真:mits/PIXTA)
みんなで楽しくおしゃべりしていたのに「なんか怒ってる?」と言われたり、上司からの指摘を真剣に聞いていただけなのに「反省していない」と言われてしまう。これを日常で繰り返していると信頼されにくくなるだけでなく、メンタルの不調にも繋がります。その原因と対処法を『メンタルヘルス大国アメリカで実証された 心がモヤらない練習』よりご紹介します。

無意識に感情をおさえている

本心を誤解されやすい理由として考えられるのは、まず感情表現があまり豊かではないことが挙げられます。言葉での表現を「言語的コミュニケーション」、表情・姿勢・声のトーンなど体による感情表現を「非言語的コミュニケーション」と言い、私たちは両方の表現を使いながらコミュニケーションをとっています。

もし、相手の2つの表現が一致しない場合、人はたいてい非言語コミュニケーションのほうを信じてしまいます。いくら言葉で「楽しい」と言っていても、表情や声のトーンが楽しくなさそうだと、人からは「楽しんでいない」と捉えられてしまうということです。

感情が湧きあがると、私たちの体には変化が起こります。筋肉が緊張したりゆるんだり、血圧が上下したり、心拍数や皮膚温度が変動したり。なかでも感情と関係が深いのが、顔の表情を作る表情筋。感情を表現して上手に伝えるうえで、表情筋は重要な役割を果たしています。

ところが、自分の感情を出してはいけない、出さないほうが事態がうまく進むといった思い込みから、感情を隠すクセがついてしまっている人は多くいます。これを繰り返していると表情筋や脳をひどく緊張させ、うつや情緒不安定などメンタルの不調に繋がることがあります。

もしかしたら、あなたにも同じことが起きているのかもしれません。過去に本心を誤解されたとき、自分はどんな表情をしていたでしょうか?楽しいとき、悲しいとき、悔しいとき、腹立たしいとき、自分はどんな表情をしているでしょうか?

いろんな感情を抱いているシチュエーションを想像しながら、ぜひ鏡を見てください。自分が思っているよりも表情が変わらなかったり、別の感情が読みとれてしまったりするかもしれません。人とコミュニケーションをとるときは、感情を表に出すことを恐れず、感情と表情を近づけることを意識しましょう。試しに大げさに感じるくらいやってみましょう。

次ページ自分の傾向を知るには?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT