福士蒼汰「人気に実力伴わなかった」葛藤を経た今 長年勉強している英語を使い海外作品にも挑戦

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――海外映画祭での流暢な英語のスピーチなどで福士さんの英語力の高さは知られていますが、実際の撮影現場ではいかがでしたか。

撮影はスペインのテネリフェ島で1カ月、マドリッドで1カ月の計2カ月間。その間は現地に滞在して撮影に臨んでいました。スタッフはスペイン人、キャストは世界中から参加した異なる文化を背景に持つ役者たちで、共通言語は英語という環境でした。

撮影を想定して、英語はたくさん練習して挑みました。十分な準備はできていたつもりだったのですが、主役のジョン・リンチは、セリフの順番を入れ替えたり、アドリブでしゃべったりするんです。ジョンとのシーンの1日目が終わってから、これは対応できるようにしておかないといけないなと刺激されました。

英語でのアドリブは難しかった

次のジョンとの撮影の日は、事前にジョンのセリフもすべて覚えて臨みました。やはりジョンはそこで湧き出てくる感情によってセリフを自在に変えていましたが、なんとかついていくことができました。

監督からはライブ感が出ていいシーンになったと評価を受けましたが、日本語だったらなんでもないことでも、英語では難しいことだと痛感しました。

福士蒼汰(撮影:今井康一)

――今作に参加したことで、福士さんが得られたことは?

経験したことがすべてですが、いちばんはコミュニケーション能力。英語力がどれだけ高くても、コミュニケーションが苦手だとそれを発揮できない。緊張しすぎたり、考え込みすぎたりすると、普段の自分の能力が出せない状況になってしまうので、いかにリラックスしてコミュニケーションできるかが大事だと感じました。

――作品への手応えをどう感じていますか。

撮影が終わったときは、達成感がものすごくありました。英語の台本をすべて覚えることもそうですが、毎日の英語のコミュニケーションには大変なエネルギーが必要で、最後の最後までずっと気を張っていないといけなかったこともあり、やり切ったなと思いました。

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