高良健吾「下手なのに評価される」葛藤を経た現在 「俳優を続ける原動力は、悔しさが一番デカい」

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── 今後、どんな俳優でありたいかを考えた時、一番に願うことは?

高良:(しばらく考えて)……当たり前のことを当たり前に、難しくなく見せられるようになれたらいいですね。

── 監督業も、積極的にやっていきたいと思っていますか?

高良:初めて経験した監督業は、もう本当に、びっくりするぐらい楽しかったんです。こんなに自分の思い通りにならないものなのに、こんなに気持ちよく「楽しかった!」と言えるものってなかなかない。芝居だったら、こんなふうには思えないと思います。

それは、『アクターズ・ショート・フィルム』というプロジェクトありきで実現したことですし、簡単にやれることではないけれど、「次はこう撮るぞ」というイメージはすでにあります。

自分に備わっているものを、何かのために使いたい

── そんな高良さんが思うカッコいい大人像とは?

高良:いろんなタイプの人がいるけれど、自分をちゃんと知っていて、自分を持っていたり、自分に備わっているものを受け入れて、何かのために使えている人はカッコいいし、自分もそうなりたいと思います。ただ、自分を知るってなかなか難しい。

── 現時点での感触は?

高良:今のところはまあ順調。まだ全然足りないけれど、長いスパンで考えていこうと思っています。

(写真/内田裕介(Ucci))
高良健吾(こうら・けんご)
1987年、熊本県生まれ。2006 年『ハリヨの夏』で映画デビュー。『M』(07)で第 19 回東京国際映画祭日本映画・ある視点部門特別賞を受賞。『軽蔑』(11)で第35 回日本アカデミー賞新人俳優賞、『苦役列車』(12) で第 36 回日本アカデミー賞優秀助演男優賞、『横道世之介』(13)で第 56 回ブルーリボン賞主演男優賞などを受賞。近年の映画出演作は『くれなずめ』(21)、『天間荘の三姉妹』『あちらにいる鬼』(22)、『ひとりぼっちじゃない』『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -運命-』(23)など。『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 -決戦-』『Gメン』の公開を控える。
©︎2023映画『水は海に向かって流れる』製作委員会
『水は海に向かって流れる』
田島列島の同名コミックを映画化。過去のある出来事から「恋愛はしない」と宣言する主人公・榊千紗(広瀬すず)と男子高校生・直達(大西利空)を中心に、個性的な人々が暮らすシェアハウスの日常を描く。監督は『そして、バトンは渡された』の前田哲。他の出演者に、高良健吾、戸塚純貴、當真あみら。主題歌はスピッツが「ときめき part1」を書き下ろした。6月9日(金)から全国ロードショー。
HP/映画『水は海に向かって流れる』公式サイト
文/浜野雪江 写真/内田裕介(Ucci) スタイリング/渡辺慎也(Koa Hole) ヘアメイク/森田康平(TETRO)、編集/森本 泉(LEON.JP)
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