サハリンと日本、その「連なり」を感じる旅 奈良美智氏と石川直樹氏が見た「北方」

✎ 1〜 ✎ 43 ✎ 44 ✎ 45 ✎ 46
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

おかっぱ頭の先住民の子ども

奈良美智「ニヴフの子 おかっぱ 」photo:Yoshitomo Nara (C)Yoshitomo Nara

とくに鮮烈な印象を残すのがサハリンの写真だ。サハリンには、ニヴフ、ウイルタ、ナナイなどの先住民が暮らしている。

「ニヴフの子 おかっぱ 」は、ニヴフ族のトナカイ祭りで会った女の子だ。

「ノグリキという町から車で2時間ぐらいのところに広い草原があって、トナカイ祭りが開かれていました。トナカイが点々といて、その近くにテントを張っている人たち、野宿してここまで来たという人たちもいました。みんな本当に楽しそうでした。トナカイに感謝し、親しむ祭りなんだけど、食べるわけね」(石川さん)

ニヴフの人たちはトナカイを飼育し、食用にもするし、冬は凍った道でも動ける交通手段としても利用する。祭りでは、子供をトナカイに乗せたり、少女たちが歌や踊りを披露したり、トナカイのレースで転げ落ちる人がいたり。いちばん盛り上がったのは相撲大会だったそうだ。

次ページ王子製紙の工場跡に放牧!
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事