「法令遵守」的な対応が事態を悪化させる--『組織の思考が止まるとき』を書いた郷原信郎氏(弁護士、名城大学教授)に聞く

「法令遵守」的な対応が事態を悪化させる--『組織の思考が止まるとき』を書いた郷原信郎氏(弁護士、名城大学教授)に聞く

コンプライアンスとは「法令遵守」ではなく、「社会的要請への適応」と説く異色弁護士が、検察問題を入り口に、時代の変化に適合した組織のあり方を提示する。

──政府の東日本大震災対処での「もたつき」をどう見ますか。

機能停止、思考停止もいいところ。危機にこそ人と組織が試される。

情報はきちんと把握されていないし、ダメな国家組織、ダメな政府、ダメな内閣に任せておくと、こういうことになってしまう。これだけいろんなことを間違えてばかりいて、何を信じろというのか、という話になる。思考停止している組織には何事も任せられない。

──思考が停止している?

安定し、変化の乏しい世の中であれば、基本的に決められたことを守る、法令を遵守する、ということで済む。今の世の中は、安定期の社会環境を前提にしたシステムをまだ引きずってできているので、決められたこと、あるいは上の立場の人が決めたことだけを守ればいいという考え方に慣れ切ってしまっている。

だが、そういう考え方では、激しく変化する社会環境の中で生き残っていけない。組織として、その存在を維持することさえできなくなる。変化への思考を停止した結果だ。

──大震災がさらに変化を促そうとしています。

震災と原発事故はさらなる急激な変化を促した。ますます環境変化にセンシティブ(鋭敏)に反応できる組織になっていかないといけない。そういうことができる組織体制を作り上げないと、組織の運営に必要不可欠なコラボレーションの体制、センシティブに人や組織同士が互いに力を合わせることができるシステムにならない。

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成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。