それぞれを説明すると、人=いざというとき誰がどれだけ動けるのか、物=過ごすのに適した場所があるかどうか、お金=使えるお金がどれくらいあるか、夢=どう過ごしたいか、という感じです。いくら「自分はこんなふうに過ごしたい」という夢があっても、現実的にそれを叶えるには、人・物・お金の要素が欠かせないからです。
特にかけられるお金の枠を最初に決めると、自ずと選択肢が絞られてきます。
そして親と現実的な話をするときには、自分が何を心配に思っているかを伝えるとともに、「離れて住んでいると、私はここまでしかできない」という線引きも話したほうがいいでしょう。それが判断材料になることもあります。
家族だけで話を進めるのが難しいと感じたら、かかりつけ医や介護者など、関わりのある第三者の意見を取り入れるのも手。年を重ねる中で予測される体の変化など、元気なときには想像がつきにくい現実について、客観的な意見を聞いてみるのも、1つの判断材料になると思います。
医療者や介護者との関わりが何もなければ、まずはお住まいの地域の地域包括支援センターに相談してみましょう。
「最期まで1人暮らし」も可能
なお、高齢であっても、本人とまわりの理解と覚悟があれば、最期まで1人暮らしを続けることは可能です。
実際に私の患者さんのなかでも、最期まで自宅で1人で過ごした方もいます。離れた場所にいる家族としては、本人の希望をどこまで覚悟を決めて見守れるかが問われることになります。
1人暮らしを続けるのか、呼び寄せるのか、これらは正解がある問題ではないため、それぞれの希望と現実との折り合いをつけながら、後悔のない選択をしてほしいと思います。
(構成:ライター・松岡かすみ)
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