一方で、私たちが必要とする友人の数や、実際にもつことのできる友人の数ははっきりしない。猿と類人猿の社会グループには、およそ50匹という上限がある。人間の結束行動なら、もう少し多くてもうまくやれるはずだ。
オックスフォード大学の進化心理学者で、友情の専門家ロビン・ダンバーによると、人間は平均して5人と親密な関係をもっており、彼はこれを「悩みを聞いてくれる」関係と呼んでいる。また、親しい友人が15人、家族がパーティーに招待するような仲のいい友人が50人、葬儀に参列してくれる人が150人いる。
しかし友人の数はたいして重要ではない。重要なのはその質だ。まずは「フレネミー(友人を装った敵)」に気をつけてほしい。信頼できない友人との付き合いはストレスになる。嫌いな人といるより「フレネミー」といるほうが、血圧は上がりやすい。
一般的に、人間関係の質はそこにどれだけ時間を費やしたかによる。かぎられた時間のなかで多くの人に投資しようとすると、友情の質は低下する。私たちの社会的グループは不安定で、壊れやすい。ダンバーによると、友情を維持するには――対面にしろ、電子機器を介すにしろ――親友とは1日おき、つぎに親しい5人とは1週間おきに連絡を取る必要があるという。
友人と共有する6つの重要な基準
つぎの15人は月に一度、そのつぎの50人は半年に一度で、最後の150人は1年に一度会えればいい。それ以下の頻度だと、友人たちはすぐにソーシャルネットワークの層から脱落していく。ただし、10代後半から20代前半に築いた親密な友人関係は例外だ。何十年経っても、当時の関係に戻れることが多い。
こうした友情を築くための確実な方法はない。大半が学校や、子ども時代に所属していたグループのなかで形成され、大人になってからは仕事や付き合いのなかで生まれる。だがもし友人を増やしたいなら、共通の趣味をもつ人々の集まりに参加するのがいちばんだ。
友情に関する研究では、友人と共有する6つの重要な基準があることが示唆されている。
言語、仕事、世界観、ユーモアのセンス、地域性、教育。性格は、好きなバンドや本やジョークといった文化的好みほど重要ではないようだ。実際、ライブに行ったり、バンドや合唱団などの音楽活動に参加したりするというのは、友人をつくるもっとも簡単な方法かもしれない。同じ音楽が好きかどうかは、見知らぬ人とうまくやっていけるかどうかの最大の指標となるからだ。
そこからつぎのステップ――「最初の一歩」を踏み出すことへとつながっていく。
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