ストラトスに想起「ラリー風ウラカン」誕生の訳 オーナーの9割「ベストバイ」と答えた万能性

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一瞬のドリフトを楽しんだあと、ごくわずかにアクセルペダルをゆるめると、即座にグリップは回復した。

小石の上で、実にきれいにスラロームしながら、走っていくことができる。しかも、カウンターステアを当てたほうがいいような場面でも、クルマにまかせておけば、瞬時に姿勢を立て直してくれる。

「ちょっとちょっと、今運転しているのはウラカンですよね」と言いたくなるほどの身のこなしだ。ドライバーズシートでステアリングを握っていると、思わず笑顔になっているのに気がつく。

テレメトリで自分の運転が分析できる、またフロントカメラと連動したドライブレコーダーで走行中の録画も可能(写真:Automobili Lamborghini SpA)

高いコントロール性を実現しているのは、駆動力をおもに制御するLDVI(Lamborghini Integrated Vehicle Dynamics)、それにトルクベクタリング・バイ・ブレーキのおかげだ。

「後輪操舵システムはありません。テストしてみましたが、かえって動きがトリッキーに感じられるので、ナチュラルな運転性を重視して搭載をとりやめました」。先のモア氏はそう説明してくれた。

「万能選手」である根拠

ウラカンオーナーにクリニック(調査)を行ったところ、約9割の人のが「ステラートがベストなウラカンだ」と言ったんだそう。その外観からは予想もつかないが、乗ってみれば納得だ。

チャクワラバリー・レースウェイのあとは、ワインディングロードが“延々と”という感じで続くジョシュアツリー国立公園を抜け、フリーウェイを含む一般道へ。

200マイルほど離れたホテルまで走ったときも、スーパースポーツの気難しさはまったく感じられなかった。ハンドリングは驚くほど安定していて、快適の一言だ。

シャープな印象が強くなる「Blu Grifo」。車体色の選択肢は、350を超える(写真:Automobili Lamborghini SpA)

そもそもウラカンは、全方位的によくできているクルマだけれど、ステラートなら道路の穴ボコもすっと通過してしまえるし、途中で砂地の道があったとしても、スタックせずに走って行ける。これが冒頭で、「万能選手」といったワケ。

「ステラートとは、イタリア語で砂利(英語だとグラベル)の意味です。このクルマの開発に着手したのは、2017年。プロジェクトが始まるとき、私の頭のなかには、理想的なモデルがありました」。モア氏は、開発の背景を語る。

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