堺正章氏「自身のイベント」で伝えたかったこと SUPER MUSEUMでクラシックカーの楽しみを

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1957 Bandini 750S Saponettaの乗員と握手をする堺正章氏(写真:SUPER MUSEUM)
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自動車業界は、半世紀ぶりに激動のときを迎えている。しかし、大きな環境の変化の中でも、私たちの自動車への愛は変わらず心の中に生き続けていると信じたい。そう、日本のクラシックカーの世界は、ますます大きな盛り上がりを見せているのだ。

毎週末には全国で多数の自動車イベントが開催され、世界のクラシックカーマーケットでも日本車への関心が高まってきている。絶版国産車の高額取引に関して否定的な意見も多いが、これは善悪両面がある。

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「クラシックカーの価値は、その希少性で決まる」という法則に従えば、ときを経て取引価格が高騰するのは当然であるし、それによってスクラップになろうとしていた個体が息を吹き返す可能性も生まれる。

自動車メーカーもクラシックカーの価値上昇がブランド価値を高めることになるから、欠品していた補修部品の再生産への取り組みを開始するという良いニュースも聞こえてくる。

このように、クラシックカーへの関心が高まっているのは愛好家としてうれしいことであるが、日本はその年齢層が高くなるばかりであることが少し気になる。

若い世代に伝える、ということ

オーナーズクラブも、メインで活動しているメンバーは60代というのはザラであり、70歳で最年少などという団体も存在するという。それに、その活動も少々閉鎖的だったりするところが気になる。

筆者は今年の1月にインドのクラシックカーコンクールに参加したが、小都市における開催にもかかわらず、恐ろしい数の子どもたちが目を輝かせて会場へ突進しているのを見て声を失ってしまった。

スタート地点となった六本木ヒルズ アリーナ(写真:SUPER MUSEUM)

まあ、これは極端な例かもしれないが、ヨーロッパにおいてもクラシックカーイベントに参加する若年層の比率は押しなべて高いし、主催者としても年齢層を広げるために多大な努力をしている。

そんな中で先日、少し変わったクラシックカーイベントが東京をベースとして開催された。「第1回SUPER MUSEUM(スーパーミュージアム)」と称すこのイベントは、日本を代表するエンターテイナーである堺正章氏が手弁当で開催したもので、絞り込まれた参加台数と、一般ギャラリーとの十分な情報共有など、細かな配慮が見られるものであった。

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