堺正章氏「自身のイベント」で伝えたかったこと SUPER MUSEUMでクラシックカーの楽しみを

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さて、スタート地点の六本木ヒルズアリーナには、雨天にも関わらず多くの人々が美しいクラシックカーに見入っていた。ちなみに堺氏は、イタリアで開催される世界最高峰の公道ラリー「ミッレミリア」の取材がきっかけとなり、このクラシックカー界へ深く入り込むことになった人物だ。

30年余りにわたって開催し続けている日本版のミッレミリア「ラ・フェスタ ミッレミリア」に参加し続け、運営側としてもクラシックカー文化の啓蒙に努めている。まさに日本クラシックカー界の立役者だ。

堺正章氏には別途、インタビューを行った(筆者撮影)

「このイベントは幅広い年齢層の皆さんとクラシックカーに関する興味を共有し、楽しみたいという想いから生まれました。参加した20台のクルマたちは、その時代を代表する重要な個体ばかりです。今はこういったクルマに一般の方々が触れる機会が、とても少なくなってしまいましたからね」と堺氏。

このイベントは、堺氏が仲間とともに結成した「CLUB ROTONDO(クラブ ロトンド)」という非営利組織が母体となる。そして、日本に棲息しているクラシックカーの中でも特にエポックメイキングなモデルを探し出し、オーナーにイベント参加への招待を行った。

世界的にも希少なクラシックカーが多い日本で

日本には世界的に見ても重要なクラシックカーが、多く存在している。そして、その多くはしっかりとメンテナンスがされており、素晴らしいコンディションにあると評価されている。しかし、そういったクルマが表に出てくることは案外、稀だ。

戦前のクルマが走る姿が見られるのは貴重。写真は1927 Bugatti 35B(写真:SUPER MUSEUM)

海外では素晴らしいクルマを持っているなら、「それを皆に見てもらうのは当然」という意識がオーナーにもギャラリーたる一般愛好家にも、共有されている。しかし、日本の場合それが「高価なものを見せびらかす」というやっかみにもつながるケースが、ままある。

オーナーはそういったことに巻き込まれるのを嫌い、秘密裏に所有する風潮があるのだ。「日本は、セキュリティ面でかなり安心できるのになぜ……」と、海外のコレクターからは不思議がられる。

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