ホンダはなぜ「ニュルFF最速」に挑戦するのか 走り以上に「最速の称号」が重要であるワケ

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ニュルブルクリンクを走るシビックタイプR(写真:本田技研工業)

4月下旬、ホンダは「シビックタイプR」によるニュルブルクリンク北コースでのFF車(前輪駆動車)最速ラップ記録を発表した。

シビックタイプRは、説明するまでもなく、ミドルサイズのセダンである「シビック」をより高性能に仕上げた派生モデルだ。その売りは、走りの良さ。具体的に言えば“速いこと”となる。

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今回、最速ラップ記録を更新した現行シビックタイプRは、2022年9月に発売された「FL5型」だ。2.0リッターターボエンジンを搭載し、330ps(243kW)/6500rpmの最高出力と 42.8kgm(420Nm)/2600〜4000rpmの最大トルクを発生。4輪独立電子制御ダンパー「アダプティブ・ダンパー・システム」などを採用し、速さを追求する。

そして、それをアピールするのが、今回の“ニュル最速”という称号である。しかし、このニュースで重要となるのは、シビックタイプRの性能よりも“ニュルブルクリンクそのもの”であるといえる。

走りを磨き込むテスト走行の聖地

ニュルブルクリンク(通称:ニュル)は、フランクフルト空港から北西に約150kmの距離にあるサーキットだ。北コース(ノルドシュライフェ)と南コース(GPシュトレッケ)からなり、特に北コースは1周20km以上、300mもの高低差がある難コースとして知られている。距離が長いだけあってコーナーの数は73にもおよび、しかもアップダウンに加えて、路面の“うねり”もある。

その困難さから「ここを走れるのであれば、どこの道も走れる」と考えられており、世界中の自動車メーカーが新車開発に利用している。

ニュルブルクリンクの高低差がわかる1枚(写真:本田技研工業)

もちろん、ホンダだけでなく、トヨタやスバル、日産、マツダ……、といった日系メーカーも、ここの難コースを走り込んで走りを磨き込む。

また、この地を舞台にした「ニュルブルクリンク24時間耐久レース」も伝統的に毎年、開催され、トヨタやスバル、日産も15年以上前から積極的に参加している。そんな難コースを、新型シビックタイプRは7分44秒881で走ったというのだ。

もちろん、遠いアジアの日系メーカーが足を運んでいるのであるから、ヨーロッパのメーカーが、ここを利用しないわけはない。

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