スシロー、"時価"の白皿導入に見る強烈な危機感 黒皿は大幅に値下げ、国内事業は不調の真っ最中

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●売上収益1433億円(前年比+2.2%)

●当期利益37億円(前年比▲33.3%)

利益を出しているものの、当期利益は前年比ではマイナスになっているし、計画比の62.1%の状況だ。

そして上記を因数分解してみよう。国内と海外で分解すれば次のとおりだ。

【国内スシロー事業】
●売上収益987億円(前年比▲12%)
●営業利益(上記の連結とは異なるため営業利益となる)49億円(▲54.6%)
【海外スシロー事業】
●売上収益297億円(前年比+94.5%)
●営業利益36億円(前年比+445.8%)
(※その他事業があるため、国内と海外を加算しても、連結と同一額にはならない)

こう見ると、スシローは海外が強く業績に貢献している。売り上げの伸びも、営業利益の伸びも好調だ。そのいっぽうで、売り上げの半数以上を占める国内は好調と言い難い。

さらに国内既存店の月あたり売り上げを確認してみよう。すると、2022年4月から2023年3月まで12カ月間で、コロナ禍前の水準に戻った月は少ない。例外的に2023年2月は伸びているが、これは迷惑動画が拡散した結果、スシローへの応援の形でお客が来店したからだ。またコロナ禍前ではなく、前年を超える売り上げを達成している月も少ない。

前年比で見ると、2022年度上期が95.7%、下期が97.6%、2023年度が上期84.8%となっている(なお先に、国内スシロー事業の売上収益が前年比▲12%と紹介した。これに対して月あたり売り上げは既存店であるため数字がやや異なる。既存店とは開店から15カ月以上経過した場合に指す)。

スシローの迷惑動画が拡散したとき、株価が暴落し企業価値をふっとばしたとされた。しかし株価はまもなく復活。同月の売り上げがコロナ禍前の水準に戻ったとは皮肉である。ただ、それは特殊要因だとしても、スシローが苦しい立場にいるとわかる。

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