アイデアが冴えない人は考え方の基本を知らない 個人的な強い思いがあるとビジネスが強くなる

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さらに踏み込んでオンリーワンのアイデアを見つけるには、無数の組み合わせの中から自分だからやれることを見つけるための絞り込みの作業をします。

先程の5つの視点から選んだ資源を書き出したカードを並び替えながら検討項目(図参照)の①誰に、②どんな価値を、③何を、④どうやって、とかけ合わせてみるのです。

このとき、できるだけ「異質な」「グローバルで通用する」「誰も思いつかないような発想」の組み合わせとなるようにします。例として私のケースを書いてみましたので参考にしてください。

(図表:『How To STARTUP』)

組合わせパターン1には私のCYBERDYNE時代の社内起業(湘南ロボケアセンター)について、組み合わせパターン2には一昨年に起業したNERV(ネルフ)のバイオスタートアップ起業支援事業について書いてみましたので参考にしてください。

スタートアップの扉を開く

「自分が何のために生まれてきたのか? 何の役に立つのか? 儲けるよりも社会の役に立つために働きたい」

これは、スタートアップに携わる人々の共通の価値観であり、哲学にもなり得るものだと考えています。

How To STARTUP: イノベーションを起こすビジネスアイデアの育て方
『How To STARTUP: イノベーションを起こすビジネスアイデアの育て方』(あさ出版)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

日本の起業家で名を残したホンダを創業した本田宗一郎や松下電器(パナソニックの前身)を創業した松下幸之助は人生哲学を持っていました。それは、人生とは何か、ビジネスとはそもそも何かということを何度も何度も考え、いろいろな人と議論して出来上がった人生哲学です。

政府はそんな先人たちが多くのイノベーションを生み、焼け野原となった日本の戦後からいち早く復興を遂げた戦後復興期を第1創業期とするならば、今こそ第2創業期の波を起こす時だとさまざまな政策を打ち出しています。

日本を変える力は、私たち自身が持っています。多くの方が、一歩踏み出す勇気を持ち、未来への扉を開くために、まずはスタートアップの扉を開く。そんな、スタートアップがもたらす、新たな時代の幕開けに参加する同志たちが増えることを私は心から願っています。

久野 孝稔 慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科(SFC)特任助教/NERV代表取締役
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