「7年間のうつ」を脱した医師のシンプルな食事法 気合いだけで「自分」を変えるのは簡単ではない
気合いでメンタルは強くならない
私は産業医という立場で、企業の皆さんの健康増進のお手伝いをさせてもらっています。そこで日々感じるのは、誰もが多かれ少なかれ心の不調を感じているということ。なんとなく落ち込みがちだったり、やる気が出なかったり、疲れがなかなか取れなかったり、よく眠れなかったり、外出して人と会う気になれなかったり、とにかく皆さん、心に元気がないのです。
心の不調の原因になるのがストレスです。ストレスになるものは、どこにでもあります。なかでも人間関係から生まれるストレスや、リストラや転勤、身近な人の死など環境の変化から生まれるストレスは、メンタルに大きく影響します。
ところが、世の中には、同じストレスがかかっても、メンタルに不調をきたす人と、そうでない人がいます。
たとえば、長年勤めていた会社でリストラにあい、職を失ったとします。それを契機に、うつに足を踏み入れてしまう人と、そうならない人がいます。
この違いは、いったい何なのでしょうか?
この場合は、リストラにあったことで、次に希望が持てるか持てないか、次の目標が持てるか否かで道が分かれます。
つまり、物事をどうとらえるか、自分をどう見つめるか、そうした心のあり方によって、うつになるかどうかが決まるというわけです。リストラにあったことで、「もう自分はダメだ、未来がない」と思えば、心身の状態はうつへ向かいます。
逆に、リストラにあったことを「転職のチャンスが来た」「新たな自分にチャレンジしてみよう」と思えれば、うつに陥ることはありません。
私の場合は、前者。医師としての自分に自信が持てず、診察するときはいつもびくびく、将来に向けては不安だらけ。そんな心の状態が、7年間に及ぶうつへの引き金になりました。
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