「新婚さん」初の同性婚カップル出演"彼らの素顔" 17歳でバレエに出会い「人生」ガラッと変わった
20歳にして初めて本格的に基礎から学んだため、学校の後は東京の時と同じく、レッスン終わりにオープンスタジオで別のレッスンに励んだ。そこで出会ったのが、のちに一生の仕事となる「バーオソル(床バレエ)」だ。
床バレエとは、バレエをベースにした床に体をつけて行うエクササイズ。バレエダンサーのトップの人や意識の高い人は、身体のメンテナンスのために週1〜2回通っており、バレエダンサーだけではなく、生徒の8割くらいは一般の女性たちだったという。
日本だと、バレエは経験者でなければハードルが高く思ってしまいがちだが、フランスでは、バレエ経験の有無を問わず、できるできないにかかわらず、美しく上品な筋肉が手に入る床バレエはポピュラーだ。
床バレエを日本で広めようと思ったきっかけ
竹田さんが17歳でバレエを始めたにもかかわらず、海外のバレエ団で活躍できたのも、ケガをしてもすぐ復帰できたのも「床バレエのおかげ」という実体験と、帰国後もバレエに関わっていきたいという思いから、日本で床バレエの普及を始めて12年経った。
「西洋の人は細かい説明が好きじゃないので、とにかく早く体を動かしたい。しかも、フランス人は誰かと比べることもないので、自分ができていようができていまいが気にしません。一方、日本人はある程度説明が必要だし、できないと恥ずかしいという意識を持ちがち」
と、床バレエを通して価値観がまったく違うことを実感している。また、床バレエに対してだけではなく、生活の端々でも日本とフランスの文化や意識の違いを感じるという。
「日本はルールや決まりは絶対で、みんなきちんと守る。何かお断りするときも相手に気遣って、優しいですよね。一方、フランスはルールよりも個人の意志で決まる。公的機関でさえ、担当者の機嫌の良し悪しで結果が変わることもある。それにはいい部分もある。
例えば、20歳の私がいきなり現地に飛び込んでバレエ学校のオーディションを受けられたのも、担当者個人の判断で決められる文化背景があったから。規則よりも個人の裁量のほうが大きい」(竹田さん)
もちろん日本に比べて対応が遅かったり、交渉が進まないことがあったりといいことばかりではないが、それでも竹田さんはフランスの価値観が好きだという。
「20〜27歳までフランスにいて、その価値観のまま帰国したので、帰国当時はかなり生意気だったと思う」と語る。
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